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不動産ファイナンス(融資取引)

項目

5. 不動産ファイナスにおけるシンジケートローン

入力者 山下章太 更新日 20110910

不動産ファイナンスにおいても、シンジケートローン(協調融資)を利用するケースが多く見られます。 ここでは、シンジケート・ローンに関する理解のために、説明していきます。



シンジケートローンを行うメリット

シンジケートローンで融資を行うメリットは、貸付人、借入人それぞれ以下のように整理できます。

貸付人(アレンジャー)のメリット

  • 複数の金融機関と協調融資を行うことができるため、クレジットリスクを分散できる
  • 貸付契約が売却を前提にしたものであるため、貸付金の売却が通常の金銭消費貸借契約と比較する と簡単に行うことができる
  • 案件組成手数料を得ることができる

貸付人(参加行)のメリット

  • あらかじめ条件が固まっているので、経済条件が良ければ、参加表明するだけで融資することができる
  • 貸付契約が売却を前提にしたものであるため、貸付金の売却が通常の金銭消費貸借契約と比較すると 簡単に行うことができる
  • 面倒な事務手続や担保管理等をエージェントに任せることができる

借入人のメリット

  • 融資条件をアレンジャーのみと交渉することで、資金調達を行うことができる
  • 弁済等もエージェント口座に対して行えばよいため、複数の金融機関に個別対応する必要がない


シンジケートローンの特徴

シンジケートローンは、元々日本にない融資契約のタイプを日本に持ち込んできたものですので、 少し考え方が一般的な融資とは異なります。

ここでは、シンジケートローン特有の制度について、説明していきます。


コミットメントライン契約

融資を行う際には、資金が必要になりますが、借入人にとっては、今すぐに融資をして もらわなくても、今後必要となる資金調達を予約したい場合があります。このような場合に 必要となる契約が「コミットメントライン契約」です。

借入人が金融機関に対して融資の依頼をすると、金融期間は借入人の信用状態の審査を 行い、その審査結果によって融資可能と判断した場合にはじめて資金を調達することが可能 となりますが、急な資金需要が発生し、このような審査による期間が入ると、資金調達が間 に合わないケースも存在します。

このようなケースを想定して、金融機関と借入人との間で、あらかじめ一定の枠内でいつ でも必要な資金を借入れることができる契約を締結する場合が存在します。この契約が「コ ミットメントライン契約」です。


タームローンとリボルバー

「タームローン方式」と「リボルビング方式」という区別は、コミットメントライン方式 (分割借入を行うタイプ)かどうかとは別の切り口でのシンジケートローンの分け方です。


タームローン方式とは

「タームローン」とはユーロ市場で用いられていた用語で、「期間貸付」と直訳されてい る書籍もあります。一般的な貸付だと思ってください。

ただし、日本の伝統的な貸付契約は「金銭消費貸借契約」という片務形式(貸付人がお金 を出すだけ)であるに対し、タームローンは、「Conditions Precedent(貸出実行の前提条件)」 を満たしてはじめて借主は金銭交付を受けることができるという、双務契約(借入人が約束を 守って、はじめて貸付人がお金を出す)であるという違いがあります。

シンジケートローンでは、債権譲渡等を前提にしていることや、参加金融機関が銀行だけ ではないことから、統一的に貸付の契約を作成することが必要となりますので、タームローン 方式が多く採用されています。

タームローン方式には、コミットメントライン方式で分割実行できるものもありますが、 リボルビング方式とは異なり、弁済された資金については再度借入を行うことはできません。


リボルビング方式

「リボルビング」とは「回転」という意味ですので、契約期間内に何度でも回転(借入・返済) ができるという方式の契約形態です。こちらは、コミットメントライン契約が前提となりますが、 主に運転資金需要に応えるために、利用されています。

通常の貸付における短期運転資金融資が、シンジケートローンにおいては「リボルバー」と呼 ばれていると理解しても、それほど間違いではありません。

タームローンは、一定の資金枠を設定したとしても、返済した場合の借入枠は復活しませんので、 繰返し借入・返済を行う場合には、契約形態をリボルビング方式にしておく必要があります。




ご参考情報

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【書籍情報】
書籍名:金融マンのための不動産ファイナンス講座
著者:山下章太
出版社:中央経済社
発行日:2011年3月25日
税込価格:3,150円
A5判/300頁
ISBN978-4-502-68490-6

内容(「BOOK」データベースより)
不動産をファイナンスとして利用するための基礎知識や、担保価値を把握するための手法、不動産を利用したファイナンスに関するさまざまな特徴を、難解な部分を極力排除したうえで、事例を交えながら解説。

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金融マンのための不動産ファイナンス講座

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