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投資

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グローバル投資パフォーマンス基準(GIPS)

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2010年改訂

項目

3. エラー訂正に関する事項

入力者 山下章太 更新日 20081220

2010年から適用される変更点として、エラー訂正に関する事項があります。
『エラー訂正に関するGIPS ガイダンス・ステートメント』が既に公表済みですが、 具体的には以下のような対応が必要となってきます。

  • エラー訂正に関する方針および手続を作成
  • エラー訂正方針に従って、一貫性をもって対応する
  • エラー修正方針において、重要性を定義しなければならない

このうち、『エラーの重要性』を定義しなければならないという点は、 具体的な数値基準は公表されないと考えられますので、会社の状況に従って個別判断が必要となると思われます。
この点からも、今後の論点となる可能性が高いと思います。

なお、会社がエラーを発見した場合は、エラー訂正方針に従って処理することが必要となりますが、 重要性に応じて、以下の4パターンの処理が行われることを、ガイダンス・ステートメントでは規定しています。

  • 対処しない。
  • 提示資料を訂正するが、エラー訂正の内容を開示しない。
  • 提示資料を訂正し、エラー訂正の内容を開示するが、訂正されたパフォーマンス提示は配布しない。
  • 提示資料を訂正を修正し、エラー訂正の内容を開示するとともに、誤った開示資料を受領したすべての見込顧客と その他関係者に訂正後の開示資料を提供するための対応を行う。

GIPS基準については、下記リンクからダウンロード下さい。
グローバル投資パフォーマンス基準(日本語版)


ご参考:エラー訂正に関するGIPS ガイダンス・ステートメント

採択日: 2008 年6 月18 日
発効日: 2010 年1 月1 日
遡及適用: なし
公開コメント期間:2004 年10 月〜2005 年2 月

序 論

グローバル投資パフォーマンス基準(GIPSR)に準拠表明している会社は、個別に検討を要するよ うな、エラー(過誤)を発見する可能性がある。最も厳しい管理下においても、エラーは発生する。 エラーには、数量的なエラーおよび定性的なエラーがある。本ガイダンス・ステートメントは、GIPS 準拠の提示(presentation(s))に関するエラーについてのみ記述する。本ガイダンス・ステートメン トは、GIPS 広告ガイドラインに従って作成された広告において発見されたエラーについては論じて いない。

背 景

さまざまな理由により、エラーは会社のプロセスの中で発生し、GIPS 基準に準拠したコンポジッ ト提示におけるエラー、あるいはコンポジット提示に直接関係するエラーを招くことがある。エラー とは、基準準拠のパフォーマンス提示における記載漏れまたは不正確な部分と定義される。
パフォーマンス提示のエラーは、次のような事項の間違い、不完全さ、または記載漏れが原因とな りうるが、これらに限定されない。

  • コンポジット・リターン
  • ベンチマーク・リターン
  • コンポジット資産額
  • コンポジット中のポートフォリオ数
  • ちらばりの測度
  • 開示事項

パフォーマンス提示のエラーは、次のような事項が原因となりうるが、これらに限定されない。 .

  • インプット・データのエラー
  • 前期調整
  • システムまたはスプレッドシートの計算エラー
  • ポートフォリオのコンポジットへの組入れ間違い
  • ポートフォリオのコンポジットへの組入れ・除外タイミングの間違い
  • 取引ミス
  • コーポレート・アクションの間違い
  • ソフトウエアのエラー
  • キャッシュフローの取扱いの間違い
  • プライシングまたは為替レート上の問題
  • ベンチマーク提供元からの間違ったベンチマーク・リターン
  • カスタム・ベンチマーク・リターンの計算間違い
  • 方針および手続の作成または実施における不備
  • 内部のコミュニケーション不足

基本原則

会社は、GIPS 基準の基本原則は、公正な表示と完全な開示であることに留意しなければならない。 したがって、会社は、誤解を招く情報の提示を避けなければならない。GIPS 基準の目的の1 つは、 公正で比較可能であり、かつ完全な開示を確保できる形式により投資パフォーマンスを提示すること である。GIPS 基準は、報告、記録管理、マーケティングおよび提示のための投資パフォーマンス・ データの正確性と一貫性を確保するために策定された。GIPS 基準0.A.11 は、会社が、すべての見込 顧客に対して基準に準拠した提示資料を提供するようあらゆる合理的な努力を行うことを必須とし ている。
また、GIPS 基準0.A.6 は、会社が、適用されるGIPS の必須基準のすべてに準拠し、かつ準拠を 維持するために使用される、会社の方針および手続を文書化しておかなければならないとしている。 その精神に基づき、会社は、エラー訂正に関する方針および手続を作成しなければならない。 さらに、会社は、エラー訂正に関する各国固有の法律等が存在する場合には、それらに従わなけれ ばならない。
エラーに適切に対処するために、会社は、次の必須事項に従わなければならない。

  • エラー訂正に関する方針および手続を作成し、一貫性をもって実施しなければならない。
  • エラー訂正方針において、重要性(materiality)を定義しなければならない。

重要なエラーについては、次のとおりである。

  • エラーは、訂正され、訂正後のパフォーマンス提示において開示されなければならない。
  • 訂正後のパフォーマンス提示において、当該変更は、訂正後少なくとも12 ヶ月間開示されな ければならない。
  • 訂正後のパフォーマンス提示は、間違ったパフォーマンス提示を受領したすべての既存顧客 に配布されなければならない。
  • 訂正後のパフォーマンス提示は、間違ったパフォーマンス提示を受領したすべての見込顧客 およびその他関係先に配布されるよう、あらゆる合理的な努力が行われなければならない。

勧奨事項は、次のとおりである。

  • エラー訂正に関する方針および手続は、明確であるべきであり、また、エラーを発見し、訂 正するための具体的な手順を含むべきである。
  • エラー訂正に関する方針および手続は、該当するすべての関係先に訂正後のパフォーマンス 提示を配布する方法を含むべきである。
  • エラー訂正に関する方針および手続は、エラー内容と実施した対策を文書化する手続を含む べきである。

エラーが発生した場合には、会社は、その影響を評価し、訂正行為が上記の基本原則に合致してい るかを判断することが重要である。

エラー訂正に関する方針および手続

会社の管理手続は、エラーを軽減し、また、発生したエラーを識別するために大変重要である。会 社が、その組織内でGIPS 準拠に一体的に係わっている部署を確認し、それら部署の相互連絡を確実 にすることによって、基準準拠に影響するすべての分野が会社のエラー訂正方針に含まれていること が重要である。組織内に、パフォーマンス提示における重要なエラーが上申される仕組みが存在すべ きである。
エラー訂正に関する方針および手続が作成され、一貫性をもって実施されなければならない。会社 は、エラーを発見し訂正するための具体的な手順を含む、明確なプロセスを作成するよう努力すべき である。
会社は、エラー訂正に関する方針および手続において、重要性(materiality)を定義しなければな らない。重要性が定義されれば、会社は、さまざまな段階のエラーの取扱い方法について決定するこ とができる。会社の方針は、エラーの重要性と性格がさまざまなシナリオを捕捉できるよう幅広いも のとなることを考慮しつつ、適切な手順を示すべきである。また、エラー訂正に関する方針および手 続は、訂正後のパフォーマンス提示をすべての該当する関係先に配布する方法、およびエラー内容と 実施した対策を文書化する手続を含むべきである。エラー訂正に関する方針および手続の作成に当た っては、会社は、次の要素を勘案すべきである。

  • 絶対的および相対的な観点からのエラーの重要性
  • エラーがベンチマークと比較して重要か
  • リターンが過大または過小評価されているか
  • 開示の漏れまたは誤りの重要度
  • エラーは何期かにわたりリターンに影響を与えるか、またはタイミングの問題か
  • エラーにより影響を受ける期間
  • これらの方針が会社全体、または特定のコンポジットに適用されるか
  • 間違ったパフォーマンス提示が見込顧客に提供されたか
  • 顧客が間違ったパフォーマンス提示を受領したか
  • その他の関係先がパフォーマンス提示を受領したか
  • 会社が訂正または訂正の開示について法的な義務を負っているか

重要性(materiality)の定義

エラーの大きさと影響度は、資産タイプ(例えば、株式、確定利付証券、新興市場株式)、報告期 間(例えば、月次、四半期、年次のリターン)、時期(例えば、特定の日より前、5年以上前)等に より異なる。エラーが見込顧客の投資判断に影響を及ぼすかどうかが、エラーの重要性およびその問 題解決のための適切な対策を決定する重要な要素となる。

エラー訂正

運用会社が、準拠パフォーマンス提示に影響を与えるエラーの存在に気づいた場合には、会社が予 め作成したエラー訂正に関する方針および手続に基づき、どのように対処すべきかを決定しなければ ならない。エラーの取扱い方法について、会社には、一般に次のような4 つの選択肢がある。

  1. 対処しない。
  2. 準拠パフォーマンス提示は訂正するが、当該変更について開示しない。
  3. 準拠パフォーマンス提示を訂正し、当該変更について開示するが、訂正後のパフォーマンス提示 は配布しない。
  4. 準拠パフォーマンス提示を訂正し、当該変更について開示するとともに、間違ったパフォーマン ス提示を受領したすべての見込顧客その他関係先に訂正後のパフォーマンス提示を配布するよ うあらゆる合理的な努力を行う。

1.対処しない。

予め作成されたエラー訂正方針により、エラーは重要でないと見なされ、パフォーマンス提示に おけるデータまたは開示事項を変更する必要がない。

2.準拠パフォーマンス提示は訂正するが、当該変更について開示しない。

エラー訂正の結果、パフォーマンス提示における1つ以上の項目に変更があるが、予め作成され たエラー訂正方針により、これらの変更は重要ではなく、したがって、変更の開示、および間違 ったパフォーマンス提示を受領した関係先に対する訂正後のパフォーマンス提示の配布を必要 としない。

3.準拠パフォーマンス提示を訂正し、当該変更について開示するが、訂正後のパフォーマンス提示 は配布しない。

エラー訂正の結果、パフォーマンス提示における1 つ以上の項目に変更があるが、予め作成され たエラー訂正方針により、重要なエラーとは見なされない。しかし、訂正後のパフォーマンス提 示において当該変更を開示することが必要である。

4. 準拠パフォーマンス提示を訂正し、当該変更について開示するとともに、間違ったパフォーマン ス提示を受領したすべての見込顧客その他関係先に訂正後のパフォーマンス提示を配布するよ うあらゆる合理的な努力を行う。

予め作成されたエラー訂正方針により、重要なエラーと見なされ、したがって、訂正、および訂 正後のパフォーマンス提示における当該変更の開示が必要となる。会社は、間違ったパフォーマ ンス提示を受領したすべての既存顧客に対して、訂正後のパフォーマンス提示を配布しなければ ならない。さらに、会社は、間違ったパフォーマンス提示を受領した、すべての見込顧客および コンサルタント、検証者等の関係先に対して、訂正後のパフォーマンス提示を配布するようあら ゆる合理的な努力を行わなければならない。当該変更は、パフォーマンス提示の訂正後少なくと も12 ヶ月間は、各提示において開示されなければならない。

例えば、準拠パフォーマンス提示におけるコンポジット・リターンの誤りに係る基本的なエラー訂 正プロセスには、次のような手順が含まれる。

  1. リターンを再計算し、エラーを数値化する。
  2. 予め作成されたエラー訂正に関する方針および手続に基づき、エラーが重要かどうかを判断 する。
  3. 予め作成されたエラー訂正に関する方針および手続に基づき、最も適切な対策を決定する。
  4. 元々のリターン、訂正後のリターン、および実施した対策を文書化する。

開示の誤りに係る基本的なエラー訂正プロセスには、次のような手順が含まれる。

  1. コンポジットで開示されている事項とGIPS 基準で必須とされる開示事項とを比較する。
  2. エラーが発生しているかどうか、また、パフォーマンス提示に開示漏れがあるかを判断する。
  3. 予め作成されたエラー訂正に関する方針および手続に基づき、エラーが重要かどうかを判断 する。
  4. 予め作成されたエラー訂正に関する方針および手続に基づき、最も適切な対策を決定する。
  5. 元々の情報、訂正後の情報、および実施した対策を文書化する。

発効日

本ガイダンス・ステートメントの発効日は、2010 年1月1日である。会社は、発効日までにエラ ー訂正に関する方針および手続を作成しなければならず、2009 年12 月31 日より後に発見された準 拠パフォーマンス提示のエラーについては、会社のエラー訂正に関する方針および手続に従わなけれ ばならない。会社は、発効日前に、本ガイダンスを適用するよう強く奨励されるが、必須ではない。


上記のガイダンス・ステートメントのPDFファイルは、以下からダウンロード下さい。
エラー訂正に関するGIPS ガイダンス・ステートメント



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