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投資

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グローバル投資パフォーマンス基準(GIPS)

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2010年改訂

項目

4. 検証について

入力者 山下章太 更新日 20081220

検証の義務化について

2005年に制定されたGIPS規準においては、下記のように検証が義務付けられる可能性を示唆していたが、 2008年9月に実施されたGIPSカンファレンスにおいては、義務とはしないことが提案されています。

『第V章 検証』
検証は強く奨励され、将来のいずれかの日に義務付けられる見込みである。 IPCでは、2010年までに検証の義務化についてさまざまな側面から再評価し、 何らかの変更を実施する際には業界に対して十分な時間を提供することとしている。

GIPS Exective Committeeは、検証を受けることを強く推奨するが、 強制しないと決定しています。
更に、「将来において検証が必須とされる予定」という文言は削除する予定となっています。

ただし、会社が検証を受けているか否かに関する開示を行うことを、 GIPS基準の準拠表明文に変更を加えることを提案しています。

よって、GIPSの検証は義務とはされないものの、検証を受けているかに関して、以下のような開示が必要になりますので、 ご留意下さい。

例:検証を受けている会社に提案される準拠表明

[会社名挿入]は、グローバル投資パフォーマンス基準(GIPS)に準拠してこの報告書を作成し、提示している。
[会社名挿入]はXXXX年XX月XX日以後XXXX年XX月XX日までの期間について、 [検証社名挿入]による検証を受けている。 検証報告書の写しは、請求に応じて提供可能である。

例:検証を受けていない会社に対して提案される準拠表明

[会社名挿入]は、グローバル投資パフォーマンス基準(GIPS)に準拠してこの報告書を作成し、提示している。
[会社名挿入]は期間[日付挿入]について、検証を受けていない。

GIPS基準については、下記リンクからダウンロード下さい。
グローバル投資パフォーマンス基準(日本語版)


ご参考:検証者の独立性に関するガイダンス・ステートメント

採択日: 2005 年10 月31 日
発効日: 2006 年1 月1 日
遡及適用: 必須ではない
公開コメント期間:2004 年10 月〜2005 年2 月

序 論

GIPS 基準では、検証(verification)とは、資産運用会社のパフォーマンス測定のプロセスと手続 について、独立した第三者である「検証者(verifier)」が行うレビューをいう。ここで「独立した第 三者」とは、一般に、検証会社(または検証者)および資産運用会社(検証顧客)のいずれにも直接 的な利益の相反がないことをいう。資産運用会社および検証会社間の独立性の問題に有効に対処でき ない場合、すなわち、利益相反が「治癒(cured)」されていない場合には、直接的な利益の相反が存 在しているといえる。本ガイダンス・ステートメントの目的は、資産運用会社とその(潜在的な)検 証会社に対して、当事者間に独立性の問題が存在するのかどうかを判断するための指針を示すことで ある。
検証会社は、資産運用会社によって選任される。したがって、資産運用会社はその選任の決定に最 終的な責任を負わなければならない。GIPS 基準は、検証者が独立した第三者でなければならないこ とを除き、検証者について特に資格要件を定めていない。GIPS 基準は自主基準であり、資産運用会 社、検証会社の双方が倫理的な誠実性(ethical integrity)に強力にコミットすることが必要である。 検証は、自社の方針とプロセスが検証される資産運用会社のみならず、資産運用会社の提示するパフ ォーマンス情報の利用者である見込顧客にとっても大きな利点がある。
本ガイダンス・ステートメントは、最低限の指針を示すものであり、検証会社が従わなければなら ない、職業的専門家としての独立性に関する既存の指針に代替または優先することを目的とするもの ではない。本ガイダンスが、検証会社の職業的専門家としての独立性に関する指針に抵触する場合に は、検証会社は、職業的専門家としての独立性に関する当該指針に従わなければならず、また、資産 運用会社(検証顧客)にその抵触内容を開示しなければならない。

独立性の定義

「独立性」という用語を定義するのは、単純な作業ではない。検証プロセスにおいて重要なことは、 すべての利害関係者が、検証者(本書では、検証者−verifier−という用語は、検証会社−verification firm−または<より大きな会社または親会社の>検証部門−verification unit−と互換的に使用され る)は公正不偏な方法でサービスを提供しており、かつ、自らが行なった作業を検証するものではな いという前提に立っていることである。
検証業務契約について検討する場合には、資産運用会社と検証会社は、両者間に独立性の問題が存 在しているかどうかを確かめなければならない。資産運用会社と検証会社は、それぞれ、独立性に関 する方針と手続を策定すべきである。独立性について評価する際には、資産運用会社と検証会社は、 相手方が採用している独立性に関する方針と手続も検討すべきである。例えば、資産運用会社が、利 用する可能性のあるもしくは既に利用している追加的なプロダクトおよびサービスを提供している 検証会社を、検証者として選任することを検討している場合には、資産運用会社は、検証者 (verification unit)が親組織の中で、また、当該資産運用会社との間でどのように独立性を維持で きるのかを理解しなければならない。検証者は、検証会社の他の部門(units)が資産運用会社に提 供している可能性のあるサービスについて、検証者の知りうる限りにおいて、資産運用会社に開示し なければならない。独立性の問題が存在しているかどうかを確かめる過程において、資産運用会社と 検証会社は、実際の(現に存在する)独立性の問題とともに独立性に問題があると思われる(見なさ れる可能性のある)事柄を認識すべきである。各組織で独立性について検討する際には、次の質問を 常に念頭においておくべきである。すなわち、資産運用会社の見込顧客が検証会社の報告書を信用し ている場合に、見込顧客が、資産運用会社と検証会社との間に他の関係が存在していることを知った 場合には、検証報告書の価値に対する見込顧客の見方は変わる可能性があるか。
検証業務以外のサービスも提供している検証者にとって、社内の検証部門以外の部門が資産運用会 社に提供しているその他サービス(特に機密性の高いサービス)を特定するのは、資産運用会社側か らの情報提供がなければ、困難であるかもしれない。しかし、資産運用会社自身は、検証会社のその 他の部門が資産運用会社に提供しているサービスについて認識している可能性がある。その場合には、 検証会社によって提供されている―しかし検証部門には知られていない―サービスが独立性の問題 に該当するかどうかを判断する責任は、資産運用会社が負う。
独立性に関する潜在的な問題について、検証会社と資産運用会社は相互に開示しなければならない。 さらに、開示しただけでは独立性の問題は「治癒(cure)」しないため、両者は、認識された独立性 の問題について、独立性を確保するように対処することが可能であるかどうかを判断しなければなら ない。資産運用会社、検証会社の双方にとって、独立性を幅のある連続体と見なすことは有益である。 その連続体の一方の端は、資産運用会社と一切関係を持たない検証会社である。もう片方の端は、資 産運用会社と既存の関係を有する検証会社で、仮に検証会社が当該資産運用会社の検証を実施したと して、独立性の問題に適切に対処することができず、独立性が確保されないような場合である。資産 運用会社と検証会社は、両者間の関係がこの連続体のどこに位置するのか、また、検証業務契約を締 結することが適切であるかどうかを判断しなければならない。
資産運用会社および検証会社は、その結論を文書化すべきである。資産運用会社が最初の検証以降 も同じ検証会社を選任し続ける場合には、資産運用会社および検証会社は、各検証業務契約に先立ち、 独立性について見直すべきである。

基本原則

  • 検証会社およびその使用人は、検証顧客から独立していなければならない。
  • 検証会社は、その職業的専門家に適用される独立性に関する指針がある場合には、それについて 検討しなければならない。
  • 検証会社および検証顧客(資産運用会社)は、潜在的な独立性の問題を分析する際には、可能な 限り両者間の関係全般について検討しなければならない。
  • 検証会社は、潜在的な独立性の問題の分析について、また、それらにどのように対処するかにつ いて、検証顧客と話し合う義務を負う。
  • 検証会社および検証顧客は、検証会社の独立性について結論を得なければならない。
  • 独立性についての判断の責任は、検証顧客と検証会社の両者が負う。しかしながら、検証顧客(資 産運用会社)は、その判断に対して最終的な責任を負わなければならない。
  • 検証者は、次の事項を行ってはならない。
    • マネジメントの役割を担うこと。
    • GIPS基準の実施と準拠に関するマネジメント機能または意思決定を行うこと。
    • 自ら行った作業を検証すること。

検証者の独立性の評価

検証会社は、検証業務のほかに、追加的なサービスおよびプロダクトを検証顧客に提供しているこ とがある。検証会社は、GIPS 基準準拠に関する問題についてアドバイザーとしての役割を担ってい ることを認識していなければならない。それには、検証の前段階である、検証顧客に対するパフォー マンス測定者としての役割が含まれる場合もある。潜在的な独立性の問題は軽減されるべきであり、 既に存在している独立性の問題は、「治癒(cured)」されなければならない。状況はそれぞれ異なっ てくるため、以下は、検討すべき項目を挙げたものである。これらの検討項目は、決定的なものでは ないが、検証会社が、潜在的な独立性の問題となる可能性のあるサービスやプロダクトのタイプをよ り明確に定める際の一助となるよう提示されたものである。

  1. 検証会社の独立性に関する状況を判断する際に、検証会社が検証顧客に提供している可能性のあ るどのようなサービス/プロダクトが検討されるべきか
  2. 検証会社の独立性に関する状況を判断する際に、検証会社が検証顧客に提供している可能性のあ るどのようなサービス/プロダクトが検討されるべきか

1. 検証会社の独立性に関する状況を判断する際に、検証会社が検証顧客に提供している可能性 のあるどのようなサービス/プロダクトが検討されるべきか

検証会社は、検証顧客に対して、GIPS 基準準拠に関連するあるいは関連しない事項のいずれにつ いても、コンサルティング業務を提供することができる。しかしながら、検証会社の検証部門がGIPS 基準に関するサービスを提供する場合には、検証部門の構成員は、マネジメントの役割やマネジメント機能を担ってはならない。さらに、検証部門は、検証において、自らの作業の結果や決定について 報告を行ったり、自らの作業を疑問視したりすることになるような、いかなるサービスも行ってはな らない。資産運用会社は、一定の業務を外部のサービス提供会社に委託することがあるかもしれない が、GIPS 基準に準拠してパフォーマンスの公正な表示と完全な開示を行う責任は資産運用会社にあ る。
検証者が行った場合でも、独立性に問題が生じないと考えられるサービス例:

  • GIPS 基準準拠プロジェクト・マネジメント・チームへのアドバイザーとなること
  • 資産運用会社によるGIPS 基準準拠を妨げる問題点の確認作業に参加すること
  • GIPS 基準および準拠プロセスについて資産運用会社職員の教育を行うこと
  • 資産運用会社のための助言が意思決定を含まない限り、GIPS 基準準拠上の問題について助 言を行うこと
  • 顧客向けプレゼンテーション資料の一般的なサンプルを提供すること
  • GIPS 基準準拠のためのチェックリストを提供すること
  • 公式や計算例を提供すること
  • パフォーマンス関連事項についてトレーニングを提供すること
  • パフォーマンス関連システムの移行テストの結果をレビューすること

検証者が行った場合、独立性に問題が生じるもしくは生じる可能性のあるサービス例:

  • GIPS 基準準拠プロジェクト・マネジメント・チームに構成員として参加し、管理責任のあ る職務を担うこと(例えば、ポートフォリオのコンポジットへの分類、方針の策定等)
  • 資産運用会社のGIPS 基準準拠プロジェクト・マネジメント・チームにおいて、意思決定権 限を有するプロジェクト・マネジャーとしての役割を担うこと
  • 資産運用会社のGIPS 基準準拠上の問題について意思決定を行うこと(検証者は、資産運用 会社が意思決定の際に考慮できるような意見や選択肢を提供するにとどめるべきである。)
  • パフォーマンス・リターン計算のための元データを作成すること
  • パフォーマンス計算方法について検証顧客が全責任を負わない場合に、パフォーマンス計算 のテンプレートを提供すること
  • 口座をコンポジットに割り当てること
  • 口座リターン計算のために必要な原データを整理または作成すること
  • 口座リターンを計算すること
  • コンポジット・リターンを計算すること
  • GIPS 基準に準拠した提示資料を作成すること
  • 方針および手続を策定すること
  • 資産運用会社のためにパフォーマンス・データのウエアハウスとして機能すること。検証者 は、自らの検証目的のためにデータの複製を保持することができるが、このデータが資産運 用会社の主要なデータ・ソースであってはならない。

2. 検証会社の独立性に関する状況を判断する際に、検証会社が検討すべき問題が他にあるか
検証業務やGIPS 基準準拠に直接関係しないその他の問題が、検証者の独立性に影響を与えること がある。例えば、検証会社が検証顧客の代理人(advocate)として行動することは、独立性を損なう おそれがある。検証者は、その顧客との個人的、金銭的関係を考慮すべきであり、実際に独立性を有 しているのか、あるいはそうした関係の影響を受ける可能性があるのかどうかを検討すべきである。 単に個人的、金銭的関係を開示しただけでは、独立性の問題が「治癒(cure)」されたことにはなら ない。

発効日

検証会社および資産運用会社は、2006 年1 月1 日以降実施されるすべての検証業務について、本 ガイダンス・ステートメントに示された原則に従わなければならない。 適

適用事例:

  1. 検証会社は、検証顧客に提供しているその他サービスを特定するために、どの程度の時間と労力 を費やさなければならないか。

    検証者および検証顧客は、それぞれにまたは共同して、両者間に存在することが知られている関 係のすべてについて検証者の独立性を損なわないと判断できるような合理的な時間を費やす必 要がある。これは、継続的な共同責任によるものであり、検証者を最初に採用する際にのみ適用 されるものではない。
    検証者と検証顧客との間に、限られた一部の人にしか知られていない機密性の高い業務関係が存 在している場合があるため、「知られている(“known”)」という言葉は、実務上、重要である。 例えば、検証会社が企業買収/売却のアドバイザリー・サービスを提供していることがあるが、 そうした情報は、資産運用会社および検証会社で検証業務に携わる者には一切開示されないと考 えられる。

  2. 検証者の独立性に関する本ガイダンス・ステートメントにいう「マネジメント機能」とは何か。

    本ガイダンス・ステートメントにおいて、「マネジメント機能」とは、GIPS 基準準拠プロセスに 直接関連する職務と責任である。マネジメント機能には以下があるが、これらに限定されない。
    • 会社の全ポートフォリオを確認すること
    • 口座をコンポジットに割り当てること
    • 会社の定義を決定すること
    • 投資一任の定義や状態(一任/非一任)を決定すること
    • コンポジットの設定基準を作成すること
    • 方針および手続を策定すること
    • 口座リターンおよびコンポジット・リターンを計算すること
    • GIPS 基準に準拠したコンポジット提示資料を作成すること


  3. 利益相反について報告するための正式な手続はあるか。

    いいえ。利益相反を報告するための正式な手続はない。検証者が、検証業務契約の締結または検 証業務の継続を不可能とするような利益相反があると判断した場合、検証会社は直ちに当該相反 について顧客に報告すべきである。検証者および顧客は、新たに発見された相反が過去の検証期 間に及ぶかどうかについても検討すべきである。その結果、以前発行された検証報告書を回収す る必要性(すなわち、資産運用会社は、利益相反が存在していた期間について検証を受けていた と表明することを中止しなければならない)が生じるおそれがある。将来、資産運用会社が当該 期間について独立した第三者による検証を受ける場合には、資産運用会社は、当該期間について 検証を受けたと再び表明できるであろう。

  4. コンポジット提示資料に掲載する資産額加重標準偏差を計算する際の一助として、検証会社が検 証顧客にスプレッドシートのテンプレートを提供する場合、これにより独立性の問題が生じるか。

    検証顧客が計算方法について全責任を負う限り、単に計算例を含んだスプレッドシートのテンプ レートを顧客に提供することが、直ちに独立性の問題になるということはない。

  5. 検証会社は、検証顧客の新パフォーマンス測定システムの選択プロセスに参加することができる か。

    はい。検証会社の関与が推奨および意見を行うことに限定され、最終決定が検証顧客のみによっ て行われる限りは可能である。検証会社は、そのレビューまたは推奨について、システム・プロ バイダーから金銭および金銭以外の報酬を受け取ってはならない。

  6. 検証会社は、検証顧客の新パフォーマンス測定システムの導入プロセスに参加することができる か。

    はい。検証会社は、検証顧客の新パフォーマンス測定システムの導入プロセスに参加することができ るが、マネジメント機能を担わないよう注意しなければならない。検証者は、データの移行および整 合性について最終的な責任を負ってはならない。

  7. 当社の検証者は、GIPS 基準準拠に関する会社全体の検証に加え、ある特定のコンポジットについてパ フォーマンス検査を行っている。パフォーマンス検査報告書には、当該コンポジットのGIPS 基準に 準拠した提示資料が含まれることになっている。検証者は、当該コンポジットの準拠提示資料を作成 することができるか

    検証者は、資産運用会社のコンポジット提示資料を作成する責任を負うことはできない。資産運用会 社は、まず準拠した提示資料を検証者に提出しなければならない。(資産運用会社が提出したコンポジ ット提示資料に基づき)パフォーマンス検査が完了した後、検証者が、パフォーマンス検査報告書の 一部として資産運用会社に提出する文書において、準拠提示資料のデータの書式や体裁を整え直すこ とは可能である。単に文書処理や複製を行うことは、検証者の独立性に影響を及ぼすものではない。

  8. 当資産運用会社は、同じ検証会社を過去5 年にわたり使用している。最近、検証会社の一職員が、 今年当社で雇用したポートフォリオ・マネジャーの親族であることが分かった。当該検証会社に 翌年も検証を依頼することは可能か。

    その従業員が当該資産運用会社の検証業務に携わっている場合には、検証会社および資産運用会 社は、当該従業員が独立性を維持できるような手段を講じなければならない。その従業員が検証 業務に携わっていない場合は、問題ないであろう。しかし、その従業員が当該資産運用会社の検 証プロジェクトの担当者であり、例えば、最近雇用されたポートフォリオ・マネジャーの配偶者 である場合には、独立性の問題が評価されなければならない。

上記のガイダンス・ステートメントのPDFファイルは、以下からダウンロード下さい。
検証者の独立性に関するガイダンス・ステートメント



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