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平成21年度税制改正

項目

1. 平成21年度改正の基本的な考え方

入力者 山下章太 更新日 20081220

『平成21年度税制改正大綱』が、平成20年12月12日において自民党から提出されました。

平成21年改正の骨子は以下のようになっています。


第一: 平成21 年度改正の基本的考え方

わが国経済は、国内的な構造改革の取組みや国際面での輸出の進展もあって息の 長い景気回復を続けてきたが、金融資本市場の混乱などにより世界経済が一段と減 速する中、すでに景気後退局面に入っている。わが国経済に対する下押し圧力は急 速に高まっており、今後、景気の下降局面が長期化・深刻化する恐れも指摘されて いる。また、こうした状況の下、大企業と中小企業、正規雇用と非正規雇用、都市 と地方の間などでいわゆる格差の一層の拡大が懸念されている。

平成21 年度税制改正においては、このような経済金融情勢に即応し、世界経済の 混乱やそれに伴う国内経済の不振から国民生活を守り、今年度からの3年間のうち に景気回復を最優先で実現するとの断固たる決意に基づいて、わが国の内需を刺激 するため、大胆かつ柔軟な減税措置を講じる。その際、低炭素化の促進の観点から 税制のグリーン化に配慮する。

第一に、住宅投資の活性化を地域経済の起爆剤とするため、住宅ローン減税につ いて、最大控除可能額を過去最高水準まで引き上げるとともに、中低所得者層の実 効的な負担軽減を図る観点から、所得税から控除し切れない額は個人住民税からも 控除できる制度を導入する。あわせて、長期優良住宅の取得や省エネ、バリアフリ ー等の住宅リフォームについて、既存のローン減税の枠組みにとらわれない新たな 減税措置を導入する。また、土地需要を喚起し、土地の流動化と有効活用を強力に 推進する観点から、今後2年間に取得する土地について、長期所有に係る譲渡益に ついて新たな特別控除制度を設けるとともに、同期間に土地を先行取得して他の土 地を売却した場合の譲渡益課税の繰延措置を創設する。あわせて、土地の売買等に 係る登録免許税の軽減措置の現行税率を据え置く。

第二に、自動車の買換・購入需要を促進し、自動車市場の後退に歯止めをかける とともに低炭素社会の実現を目指すため、自動車重量税・自動車取得税について、 環境性能に優れた自動車の取得・継続保有に係る負担を3年間免除・軽減する。

第三に、設備投資を促進するため、成長力の強化と低炭素社会の実現に向け、資 源生産性の向上に取り組むべく、省エネ・新エネ設備等に対する即時償却等を可能 とする税制を導入する。また、わが国企業が海外市場で獲得する利益について、そ の国内還流に向けた環境整備のため、海外子会社からの受取配当の益金不算入制度を導入する。

第四に、中小企業対策として、金融不安や景気後退の影響を受けやすいことにか えりみ、その経営を支援するため軽減税率を時限的に引き下げるとともに、円滑な 資金繰りに資するため欠損金の繰戻し還付制度を復活する。また、中小企業の経営 承継を円滑化するための新たな事業承継税制を導入する。

第五に、不透明感を払拭しきれない金融市場については、上場株式等の配当等に ついて、現行軽減税率の3年間の延長を行う一方、この軽減税率が廃止され20%本 則税率が実現する際に少額の上場株式等の投資のための非課税措置を導入すべく、 具体的検討を進める。あわせて、個人の老後に向けた金融資産形成を支援する観点 から、確定拠出年金制度を拡充する。また、保険ニーズの多様化や社会保障を補完 する分野の重要性を踏まえ、生命保険料控除における新たな控除枠として、介護医 療保険料控除を創設する。

以下、主要項目について基本的考え方を述べる。

  1. 住宅・土地税制
    (1)住宅税制
    住宅投資は内需拡大の柱であり、景気対策として地域経済への大きな波及効 果を見込めるのみならず、国民の将来における豊かな住生活の実現に役立つも のである。このため、住宅ローン減税の適用期限を5年間延長するとともに、 制度を大幅に拡充し、特に長期優良住宅については最大控除可能額を過去最高 水準を上回る600 万円に引き上げる。個人住民税についても、所得税の住宅ロ ーン控除制度において所得税から控除し切れない額を税額控除する制度を創設 する。不動産取得税について、住宅及び住宅用地の取得に係る税率の特例措置 等の適用期限を延長する。
    また、本格的な長寿化社会の到来に備えて高齢者の安心・安全な居住空間を 確保する必要があるほか、低炭素社会の実現に向けて家庭部門における省エネ 対策の重要性が高まっている。このような経済社会的要請の変化を踏まえ、省 エネ改修促進税制、バリアフリー改修促進税制及び耐震改修促進税制の適用期 限を5年間延長する。
    さらに、現下の厳しい経済事情を踏まえ、自己資金で長期優良住宅を新築す る場合や省エネ及びバリアフリー改修を行う場合にも税額控除を認める新たな 措置を創設する。

    (2)土地税制
    土地市場について、足下では土地取引件数も急減するといった兆候が見られ、 今後、急激に悪化することも懸念される。こうした状況の下、土地需要を喚起 し、土地の流動化と有効活用を強力に推進することは、わが国経済全体を力強 く浮揚させる上でも急務となっている。
    このため、平成21 年、22 年に取得する土地を5年超所有して譲渡する際の 譲渡益について1,000 万円の特別控除制度を創設する。あわせて、事業者が平 成21 年、22 年に土地を取得した場合、その土地を先行取得資産としてその後 10 年間に売却した他の土地の譲渡益課税を繰り延べることを可能とする制度 を創設する。また、土地の売買等に係る登録免許税の軽減措置の現行税率を2 年間据え置くとともに、事業用の長期保有土地等の買換え特例の適用期限を3 年間延長するなど、各種土地税制の延長・拡充等を行う。
    固定資産税は市町村財政を支える基幹税であり、その安定的確保が不可欠で ある。また、土地に係る固定資産税については、平成9年度から負担水準の均 衡化を進めてきた結果、地域ごとの負担水準の均衡化は相当程度進展している。 こうした点を踏まえ、平成21 年度から平成23 年度までの間、土地に係る固 定資産税の負担調整措置の仕組みを継続するとともに、税負担が大幅に増加す る商業地等及び住宅用地について、地方公共団体の条例の定めるところにより、 税額の上昇を抑制できる制度を創設する。

  2. 自動車税制
    自動車の販売台数が減少し、裾野の広い関連産業に影響を及ぼしている中で、 自動車の買換・購入需要を促進するとともに、今後わが国が目指すべき低炭素社 会の実現につながる措置を講ずる必要がある。
    このため、自動車重量税・自動車取得税について、環境性能に優れた自動車の 取得・継続保有に係る負担を時限的に免除・軽減する措置を導入する。

  3. 成長力の強化、経済の活性化
    世界的な資源高など、今後長期にわたり継続すると予想される構造問題に対応 し、成長と両立する低炭素社会を実現するためには、省エネ対応を進め、資源生 産性の向上を実現する経済構造への転換が求められている。
    このような観点から、企業による省エネ・新エネ設備等や省エネ性能の高い家 電製品等の生産設備等への投資を促進すべく、2年間即時償却を可能とする等の 投資減税措置を講ずる。
    また、わが国経済の活性化の観点から、わが国企業が海外市場で獲得する利益 の国内還流に向けた環境整備が求められる中、外国税額控除制度について、企業 の配当政策の決定に対する中立性の観点、適切な二重課税の排除を維持する観点、 制度全体を簡素化する観点を踏まえ、間接外国税額控除制度に代えて、外国子会 社からの配当について親会社の益金不算入とする制度を導入する。

  4. 中小企業対策
    中小企業は、わが国経済の基盤となって産業競争力を支えているが、金融不安 や景気後退の影響を受けやすいことから、安心して意欲的に企業活動に励めるよ う大胆な支援措置を講ずることが求められている。
    このような観点から、中小法人等の軽減税率を現行の22%から18%に2年間時 限的に引き下げるとともに、現在適用が停止されている欠損金の繰戻し還付を復 活することにより、赤字に陥った中小企業の資金繰りを支える。
    なお、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度については、その適用状 況を引き続き注視する。

  5. 相続税制
    相続税については、法定相続分を勘案して税額を計算する現行の方式には、財 産取得者の税負担に係る水平的な公平性に問題があること、ある相続人の申告漏 れが他の相続人にも影響を及ぼすこと、現行の事業等の継続に配慮した特例措置 による税負担の軽減の効果が事業等の継続と無関係な相続人に及ぶことなどの課 題があるため、新たな事業承継税制の導入にあわせて、各人の取得分に応じ個別 に税額を計算する方式に改めることにつき検討を行ってきた。 しかし、相続税の税額計算についての現行の方式は、約50 年の長きにわたり定着してきた制度であ り、その見直しは、課税の公平性や相続のあり方に関する国民の考え方とも関連 する重要な問題であり、さらに議論を深める必要があると考える。
    格差の固定化防止、老後扶養の社会化の進展への対処等の観点からの負担水準 の適正化についても検討を行ってきたが、税額計算方式のあり方とともに、さら に検討を進め、税制抜本改革の際に実現を図るものとする。
    こうした状況の下、平成21 年度税制改正においては、相続税制における喫緊の 課題に対応するため、中小企業の事業承継の円滑化を通じた雇用の確保や地域経 済活力の維持を図る観点から、新たな事業承継税制を導入する。その際、株式等 の生前贈与による事業承継を促進する観点から、贈与税の納税猶予制度をあわせ て創設する。
    また、農地に係る相続税等の納税猶予制度については、農地の永続的な確保と 有効利用の徹底を主眼とする農地制度の見直しを踏まえ、農地の有効利用を促進 する貸付けも適用対象とする等の拡充を行うとともに、農地の保全に資するため の見直しを行う。

  6. 道路特定財源
    平成21 年度予算において道路特定財源制度を廃止し、地方税法などの所要の改 正を行う。
    道路特定財源の一般財源化に伴う関係税制のあり方、特に暫定税率分も含めた 税率のあり方については、今後の税制抜本改革の際に検討することとし、それま での間、地球温暖化問題への国際的な取組み、地方の道路整備の必要性、国・地 方の厳しい財政状況等を踏まえて、現行の税率水準は原則維持する。
    ただし、上記2で述べたとおり、納税者の理解、景気及び環境対策という観点 から、自動車関係諸税の負担を時限的に免除・軽減する。

  7. 金融・証券税制
    金融市場については、金融所得課税の一体化を推し進め、簡素で分かりやすい 制度とすることで、個人投資家が投資しやすい環境を整備することが重要であり、 引き続き取り組んでいく。上場株式等の配当等について、現下の経済金融環境にもかんがみ、現行税制の3年間の延長を行う一方、その後の金融所得課税の一体 化の取組みの中で、少額投資のための簡素な優遇措置を創設する。具体的には、 10%軽減税率が廃止され20%本則税率が実現する際に、5年間毎年100 万円まで の上場株式等への投資に係る配当・譲渡益を非課税とする措置を導入するため、 制度設計の詳細について更に検討を進め、平成22 年度改正において法制上の措置 を講じる。
    また、老後に向けた資産形成を行う自助努力を促す本格的な税制の整備を視野 に入れ、こうした取組みの嚆矢として、確定拠出年金について、個人拠出(マッ チング拠出)を導入するとともに、拠出限度額を引き上げる。
    さらに、保険ニーズの多様化や社会保障を補完する分野の重要性を踏まえ、生 命保険料控除において、一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の限度額を 4万円とするとともに、新たに同額の所得控除枠(介護医療保険料控除)を創設す る。新たな制度については、平成24 年1 月から実施することとし、制度移行に伴 う諸課題の検討・準備を進め、平成22 年度改正により法制上の措置を行う。

  8. 円滑・適正な納税のための環境整備
    電子認証の普及拡大の観点から、電子証明書を有する個人の電子申告に係る所 得税額の特別控除制度の適用期限を2年間延長する。課税の適正化を図る観点か ら、外国法人が受ける割引債の償還差益に対する課税の見直し等を行う。
    酒税の保全及び酒類の適正な販売管理の確保等の観点を踏まえ、酒販免許制度 を堅持する。

以上のとおり、われわれは、経済・社会全般の幅広い分野にわたる税制面への要 請に適切に応えることを目指していく。あわせて、税制を円滑かつ公平に執行する ため、必要な定員の確保も含め税務執行体制の一層の充実を図る。

<出所:自民党ホームページ>

上記の原文は、以下からダウンロード下さい。
税制改正大綱(平成20年12月12日)



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