YENLAND TIME :  

 Top >  Library  |  印刷する印刷ページ       はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに追加 このページを Google Bookmarks に追加 RSS

大区分

会計・税務

中区分

企業税務

小区分

平成21年度税制改正

項目

2. 税制抜本改革の全体像

入力者 山下章太 更新日 20081220

『平成21年度税制改正大綱』が、平成20年12月12日において自民党から提出されました。

平成21年改正の税制改革の全体像は下記のように設定されています。


第二 税制抜本改革の全体像

〔税制抜本改革の意義と必要性〕

われわれが直面している危機は、当面の経済金融情勢によるものに止まらない。

わが国財政は、債務残高対GDP比が約150%という危機的な状況であり、将来 世代に負担を先送りする構造となっている。財政が本来有するべき資源配分機能が 失われ、成長の阻害要因となっているほか、所得再配分上果たす役割が制約される ため、個人間の格差や都市と地方の格差の拡大の一因となっている。

こうした中で、本格的に少子長寿化社会を迎えているわが国は、安心で活力ある 経済社会を目指していかなければならない。すなわち、子育て支援等の少子化対策 を通じ人口減少に歯止めを掛けつつ、成長力の強化により労働生産性を向上させる とともに、さまざまな格差に対してもセーフティネットの構築によりその拡大を防 がなければならない。同時に地球環境を守る観点から国民の生活や経済活動の低炭 素化を促進する必要がある。

こうした諸課題に的確に応える財政構造を構築するためには、まずは近年最大の 歳出増加要因となっている社会保障関係費の増大について、給付と負担のバランス を確保することが急務である。

すなわち、社会保障分野においては、給付という受益を現在の世代が受けながら、 負担は国債を介して将来世代に先送りされており、このことが国民の間に社会保障 制度の将来に対する大きな不安をもたらしている。年金、医療、介護等の社会保障 は国民一人ひとりの生活の基盤であり、信頼できるセーフティネットが確立される ことは広く国民が望むものである。また、社会保障制度は所得再分配のうえで大き な役割を果たしている。これらを踏まえれば、今後累増する社会保障費について、 抑制によってのみ対応していくことは適切でない。社会保障制度については、安心 と活力のバランスのとれた持続可能な制度を目指すことが適当であり、わが国は今 後その機能強化と効率化を図る一方、給付に見合った安定的な財源を確保し、負担 の先送りを断ち切らなければならない。

われわれは、昨年の税制改正大綱において、後世代に負担を先送りしないために 必要な措置について、不退転の決意でその具体化に取り組む決意を述べた。

社会保障を守り、将来世代に負担を付け回しすることなく、信頼できる制度として 次の世代に引き継いでいくためには、その負担を今後減少が見込まれる勤労者世 代など国民の一部に集中させることは適当でない。現在の世代の国民がみな年齢に かかわらず能力に応じた応分の負担に応じる必要があり、国民がその消費の額に応 じて広く公平に負担する税である消費税を社会保障の主要な財源に充てることが合 理的であり、適当である。国・地方を通じた年金、医療、介護の社会保障給付及び 少子化対策に要する費用について、現在消費税(国分)の使途とされている基礎年 金・老人医療・介護の3経費すら負担が先送りされている状況を踏まえ、持続可能 で堅固な社会保障制度の実現に向けて消費税を主要な財源とした財源確保の道筋を つけるべきである。

もとより税制の課題は、社会保障によるセーフティネットと所得再分配を安定財 源の確保を通じて支えることのみではない。経済の成長力の強化や社会におけるさ まざまな格差の是正、税制のグリーン化などわが国が直面する課題に整合的かつ計 画的に対応していく必要がある。

われわれは、広くこうした諸課題を見据え、これまでも累次にわたって税制抜本 改革の早期の実現を訴えてきた。その基軸となるべき消費税率の見直しについては、 現下の厳しい経済金融情勢にかえりみれば今その実施のタイミングにはない。しか しながら、毎年1兆円規模で費用が増大する社会保障制度の持続可能性の確保はも とより、来年度から実施する基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げや、社会 保障の機能強化に対する国民の要請に適切に応えていくためには、制度的準備を整 えた上で、経済状況の好転後、速やかに税制抜本改革を実施する必要がある。われ われは、経済活性化と財政健全化の両立を図っていくべき責任を有する与党の矜恃 として、来るべき税制抜本改革の具体的な道筋を以下のとおり示す。

〔税制抜本改革の道筋〕

基礎年金国庫負担の2分の1への引上げのための財源措置や年金、医療、介護の 社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通しを踏まえつつ、以下の基本的方向 性により、消費税を含む税制抜本改革を経済状況の好転後に速やかに実施し、2010 年代半ばまでに持続可能な財政構造を確立する。このために必要な法制上の措置を あらかじめ講じておくものとする。もちろん、経済の動向の変化に弾力的に対応す る。また、不断の行政改革の推進と無駄排除の徹底に一段と注力する。

なお、上記の道筋を立法上明らかにすることなどをもって、われわれが直面する 経済金融面の危機のみならず、社会保障の安定財源確保、格差の是正や経済の成長 力の強化という中期的課題にも応えた財政を構築する責任を担う姿勢を示していき たい。

  1. 個人所得課税については、格差の是正や所得再分配機能の回復の観点から、各 種控除や税率構造を見直す。最高税率や給与所得控除の上限の調整等により高所 得者の税負担を引き上げるとともに、給付付き税額控除の検討を含む歳出面もあ わせた総合的取組みの中で子育て等に配慮して中低所得者世帯の負担の軽減を検 討する。金融所得課税の一体化を更に推進する。

  2. 法人課税については、国際的整合性の確保及び国際競争力の強化の観点から、 社会保険料を含む企業の実質的な負担に留意しつつ、課税ベースの拡大とともに、 法人実効税率の引下げを検討する。

  3. 消費課税については、その負担が確実に国民に還元されることを明らかにする 観点から、消費税の全額がいわゆる確立・制度化された年金・医療・介護の社会 保障給付と少子化対策に充てられることを予算・決算において明確化した上で、 消費税の税率を検討する。その際、歳出面も合わせた視点に立って複数税率の検 討等総合的な取組みを行うことにより低所得者の配慮について検討する。

  4. 自動車関係諸税については、税制の簡素化を図るとともに、厳しい財政事情、 環境に与える影響等を踏まえつつ、税制のあり方及び暫定税率を含む税率のあり 方を総合的に見直し、負担の軽減を検討する。

  5. 資産課税については、格差の固定化防止、老後扶養の社会化の進展への対処等 の観点から、相続税の課税ベースや税率構造等を見直し、負担の適正化を検討す る。

  6. 納税者番号制度の導入の準備を含め、納税者の利便の向上と課税の適正化を図る。

  7. 地方税制については、地方分権の推進と、国・地方を通じた社会保障制度の安 定財源確保の観点から、地方消費税の充実を検討するとともに、地方法人課税の あり方を見直すことにより、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系 の構築を進める。

  8. 低炭素化を促進する観点から、税制全体のグリーン化を推進する。

上記の原文は、以下からダウンロード下さい。
税制改正大綱(平成20年12月12日)



   はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク この記事をLivedoorクリップにクリップ! Yahoo!ブックマークに追加 このページを Google Bookmarks に追加 RSS