YENLAND TIME :  

 Top >  Library  |  印刷する印刷ページ       はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに追加 このページを Google Bookmarks に追加 RSS

大区分

投資

中区分

融資取引(貸付・社債)

小区分

会計処理方法

項目

1. 償却原価法について

入力者 山下章太 更新日 20090322

貸付金や社債については、取得価額と額面が異なるケースがありますが、 「金融商品会計基準」では、取得価額と額面について償却原価法を適用しなければなりません。
具体的には、金融商品会計基準実務指針において、下記のように規定されています。

【金融商品会計基準実務指針105】

債権の支払日までの金利を反映して債権金額と異なる価額で債権を取得した場合には、取得時に取得価額で貸借対照表に計上し、取得価額と債権金額との差額(以下「取得差額」という。)について償却原価法に基づき処理を行う。この場合、将来キャッシュ・フローの現在価値が取得価額に一致するような割引率(実効利子率)に基づいて、債務者からの入金額を元本の回収と受取利息とに区分する。償却原価法の適用については利息法によることを原則とするが、契約上、元利の支払が弁済期限に一括して行われる場合又は規則的に行われることとなっている場合には、定額法によることができる。 なお、債権の取得価額が、債務者の信用リスクを反映して債権金額より低くなっている場合には、信用リスクによる価値の低下を加味して将来キャッシュ・フローを合理的に見積もった上で償却原価法を適用する。

償却原価法には、定額法と利息法の2種類の方法がありますが、それぞれの違いは以下のようになります。

償却原価法(定額法)の説明

例えば、額面100の債権(期間5年、金利0%)を95で取得した場合、会計上は以下のように考えていきます。

まず、貸出先の信用力に問題が無い場合で、定額法によって償却原価法を行う場合、
額面と投資額の差額=100−95=5
となりますが、会計上は差額の5を利息として認識し、これを受取利息として処理していきます。

このような、会計処理の方法を「償却原価法」といいます。

今回のケースでは、融資期間が5年ですので、5年間に渡って均等で発生したとすると、
年間受取利息=5(差額)÷5年(融資期間)=1
となり、年間1ずつ受取利息を計上するとともに、貸付金の帳簿価格(B/S残高)を1ずつ増加していくことになります。

定額法で計算した場合の具体的な債権のB/S計上額と受取利息は、下図のようになります。

償却原価法(定額法)

償却原価法(利息法)の説明

もう一つの方法は「利息法」と呼ばれる方法です。先ほど説明した定額法は、期間按分することによって算定していましたが、実は定額法は利息法の簡便法で、利息法が金融商品会計基準上の正式な償却原価法になります。

利息法は、第一章で説明した複利の考え方がベースにあります。

95で取得した貸出金の想定される利率が、1%だったとすると、

  • 1年後の帳簿価格=元本+利息=95+95×1%=95.95
  • 2年後の帳簿価格=元本+利息=95.95+95.95×1%=96.9095
  • 3年後の帳簿価格=元本+利息=96.9095+96.9095×1%=97.878595
という風に、翌年度の元本の金額は、前年度の元本+利息の金額として計算していきます。

定額法との違いは、「定額法は利息を固定(定額)」するのに対して、「利息法は利率を固定」するという点です。

定額法の計算方法は、比較的簡単に計算できるのですが、実際に利息として計上される金額は『元本×利率』という計算方法になっていないため、理論的には矛盾が生じます。

逆に、利息法の場合は、複利で計算した結果が貸付金返済時の元本と一致しなければなりませんので、償却原価法の利率を先に算定することが必要になります。

貸出期間がn年間の額面・取得価格・金利の関係を示すと、下記のようになります。

償却原価法(利息法)の計算式

先ほどと同様に、額面100の債権(期間5年、金利0%)を95で取得した場合を考えると、金利は下記の計算式から1.03%となりました。

償却原価法(利息法)の計算式

ここで算定した利率を使って、利息計上額と貸付金の帳簿価格(B/S残高)を計算すると、 下図のようになります。

償却原価法(利息法)

定額法のように受取利息は定額になっておらず、元本の増加に伴って、 受取利息の金額が増加していることが分かります。

参考までに簡単な計算シートを掲載しますので、ご興味がある方は下記からダウンロードして ご利用下さい。

償却原価法(利息法)計算フォーム

※ファイルは、エクセルの「ソルバー」を利用していますので、ご利用の際は、
「ツール」→「アドイン」から「ソルバーアドイン」にチェックを入れて下さい。


株式会社yenbridge(エンブリッジ)では、各種債権評価(不動産担保付債権のバルク評価など)を実施しております。
業務のご依頼・お問合わせ事項が御座いましたら、下記よりお問合わせ下さい。

お問合わせ

   はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク この記事をLivedoorクリップにクリップ! Yahoo!ブックマークに追加 このページを Google Bookmarks に追加 RSS