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設立

項目

12. 定款の作成について

入力者 山下章太 更新日 20090712

紙の定款であれば一般の方であっても作成することはそれほど難しくはありません。

ここでは、電子定款ではなく、「紙の定款をご自分で作成したい」という人のために、 定款の作成方法及び認証方法についてご説明します。

※ここで説明するのは株式会社の定款についてです。

定款に記載する事項

定款に記載する項目には次の3つのカテゴリーがあります。

  • 絶対的記載事項
  • 相対的記載事項
  • 任意的記載事項

まずはこれら3つの項目について説明していきましょう。

絶対的記載事項

「絶対的記載事項」とは、会社の根幹となる最重要事項のことで、 絶対に定款に記載しなくてはいけない項目のことです。
この「絶対的記載事項」が抜けていると、定款が無効になってしまうので、注意が必要です。 絶対的記載事項の内容は以下の通りです。

  • 商号
  • 会社の事業目的
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  • 発起人の氏名または名称および住所
  • 発行可能株式総数

これらについて、以下で具体的に説明します。

商号

商号とは、会社の名前のことです。

定款に記載する際には(株)○○商店と略したりすることはできません。
また、最近では英語表記もあわせて定款に記載するケースが増えています。

<具体的記述例:日本名のみの場合>
当会社は、株式会社○○と称する。

<具体的記述例:英称を併記する場合>
当会社は、株式会社○○と称し、英文では、○○ Limitedと表示する。

会社の事業目的

設立する会社が行うビジネスの内容を書きます。

ここに記述する内容は、設立後すぐに取り組む内容だけではなく、 将来行う予定にしているビジネスも記載します。

<具体的記述例>
当会社は次の事業を営むことを目的とする。
1 インターネットを使ったマーケティングリサーチ業
2 ソフトウェアの開発及び販売
3 上記各号に附帯する一切の業務

本店(本社)の所在地

本社を置く住所のことです。

本店の所在地の記載方法については2つの方法がありますが、丁目や番地といった、 少しの住所変更のたびに定款を変更することは面倒ですので、通常は、「東京都港区」などといった 最小行政区域での記載を行います。

  • 最小行政区域での表示
  • 正式な住所表記

<具体的記述例(最小行政区域での表示の場合)>
当会社は本店を東京都港区に置く

<具体的記述例(正式な住所表記の場合)>
当会社は本店を東京都港区赤坂6丁目3番5号に置く

設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

会社の設立に際して、出資者から出資してもらおうとしている財産の総額、 または設立に際して、出資者に最低限出資してもらおうとしている額のいずれかを記載します。

<具体的記述例>
当会社の設立に際して出資される財産の価額は、金200万円とし、この全額を資本金とする。

発起人の氏名または名称および住所

発起人は「会社の資本金を出す人のこと」です。

発起人と取締役は同じ人でも違う人でもかまいません。
一人で会社を立ち上げる人の場合では必ず「発起人=取締役」となります。

発起人の住所・氏名は印鑑証明に記載されている通り、 一字一句同じように記載してください。
決して略したりはしないでください。公証人の認証がおりません。

<具体的記述例>
発起人氏名     日本太郎
発起人住所     東京都板橋区日本町1丁目12番36号
引き受け株式数   100株
払い込む金銭の額  金500万円

発行可能株式総数

発行可能株式総数とは、定款を変更することなく、将来に渡って発行が可能な株式の総数のことです。
会社設立時の発行株式数のことではありません。
発行可能株式総数と会社設立時の発行株式数を混同される方が多いのでご注意ください。

会社設立時の発行株式数とは、例えば資本金が300万円だとします。

1株当たりの金額を5万円(1株当たりの金額は自由決めることができます。 多くの方は5万円または1万円とする方が多いようです)とした場合300万円÷5万円/株=60株 となり、 会社設立時の発行株式数は60株となります。

発行可能株式総数の設定方法には次の2つのパターンがあります。

1)会社が発行する株式に株式譲渡制限をつける場合

株式の譲渡制限を設ける会社の場合は、発行可能株式総数に制限がありませんから自由に設定できます。

2)会社が発行する株式に株式譲渡制限をつけない場合

株式に譲渡制限をつけない場合には原則として「設立時発行株式数の4倍以内」という決まりがあります。

会社設立時に1株5万円の株を60株発行した場合、 この場合は発行可能株式総数は60株×4倍=240株となり240株以内の数字が発行可能株式総数となります。

相対的記載事項

次に、相対的記載事項についてです。

「相対的記載事項」は、定款に必ず記載しなければならないものではありませんが、 記載すれば法的効力が出る事項であり、その内容は多岐にわたります。 相対的記載事項の一例を次に記載します。

  • 変態的設立事項に関するもの
  • 株式の譲渡制限に関する規定
  • 株券の発行に関する規定
  • 基準日に関する規定
  • 取締役、監査役、会計参与の任期

変態的設立事項に関するもの

変態的設立事項とは、株式会社の設立に際して現物出資・財産引き受け、 会社の負担になる設立費用、発起人が受ける特別利益や報酬が定められる場合をいいます。

例えば、金銭以外の財産を出資する者の氏名または名称、 当該財産およびその価額ならびにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数です。

<具体的記述例>
発起人の氏名、住所及び設立に際して割当てを受ける株数並びにこれに払い込む金銭の額は次の通りである。
発起人氏名     豊臣秀吉
発起人住所     愛知県名古屋市1丁目1番1号
引き受け株式数   800株
払い込む金銭の額  金300万円
A前項の株数のうち現物出資をする者の氏名、出資の目的たる財産、 その価額及び、これに対して与える株式数は別表の通りとする。

株式の譲渡制限に関する規定

会社側の望まない株主の出現を防止することを目的とする株式の譲渡については、 会社の譲渡について、会社の承認を必要とする旨の記載です。
この承認機関についても定款で定めることができます。

<具体的記述例>
当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなければならない。

株券の発行に関する規定

新会社法では株券の発行については原則不発行ですが、株券を発行したい場合に記載します。

<具体的記述例>
当会社は株式に係る株券を発行する。

基準日に関する規定

基準日とは会社が一定の日を定めて、その日現在の株主名簿に記載または記録されている株主に対し、 議決権の行使や、配当の受け取りができると定めた場合、その基準となる日のことをいいます。

<具体的記述例>
当会社は、毎事業年度末日の最終の株主名簿に記載された議決権を有する株主をもって、 その事業年度に関する定時株主総会において株主の権利を行使すべき株主とする。
A前項の規定にかかわらず、毎事業年度末日の翌日から定時株主総会の前日までに、 当会社の募集株式を割り当てられ、または吸収合併もしくは株式交換、 吸収分割により株式を割り当てられ株主となった者は、 その事業年度に関する定時株主総会において権利を行使することができるものとする。
B前各号の他必要がある場合には、取締役の過半数の決定をもって2週間前までに公告して 臨時に基準日を定めることができる。

取締役、監査役、会計参与の任期

取締役、会計参与の任期は選任後2年以内、監査役の任期は選任後4年以内に終了する事業年度のうち 最終のものに関する定時株主総会の終結時までを原則とします。
しかし株式譲渡制限会社では定款に記載することでこの期間を10年まで伸長することができます。

2年や4年ごとに株主総会を開催するのは面倒な場合も多いので、10年としている会社も多いと思います。

<具体的記述例>
取締役の任期は、選任後10年以内に終了する事業年度のうちの最終のものに 関する定時株主総会終結の時までとする。
A任期満了前に退任した取締役の補欠として、または増員により選任された取締役の任期は 前任者または他の在任取締役の任期の残存期間と同一とする。

任意的記載事項

任意的記載事項とは絶対的記載事項や相対的記載事項とは違い、 定款に記載しなくても取締役会の決議などでその効力を発生させることができる事項です。

  • 公告の方法
  • 定時株主総会の開催時期
  • 株主総会の議長
  • 取締役・監査役の員数
  • 事業年度

具体例を、下記に記載します。

公告の方法

株式会社は決算等の内容を広く公開しなくてはいけません。 これを公告といいます。
たとえ一人で運営されているような規模の小さな会社でもこの義務は生じます。 公告には決算公告の他に「資本の減少」「準備金減少」「合併」「会社分割」などがあります。 また公告の種類には「官報に掲載する方法」「日刊新聞に掲載する方法」「電子公告」の3つの種類があります。

<具体的記述例>
当会社の公告は官報に掲載する方法により行う

定時株主総会の開催時期

定時株主総会とは決算期などに定期的に行われる株主総会のことですが、その開催時期に関する記載です。

<具体的記述例>
当会社の定時株主総会は、毎事業年度末日の翌日から3か月以内に招集し、 臨時株主総会は、必要に応じて招集する。

株主総会の議長

株主総会で議長を務める人は開催ごとに株主総会で決めることができます。

あらかじめ一定の役職(取締役など)が議長となる旨を定めておけば議長の選任を毎回行う 必要はなくなります。

<具体的記述例>
株主総会の議長は、代表取締役がこれに当たる。
A代表取締役に事故があるときは、取締役の過半数の決定をもって他の取締役がこれに代わり、 取締役全員に事故があるときは、出席株主のうちから選ばれた者がこれに代わる。

取締役・監査役の員数

定款には取締役や監査役の員数を記述することができます。
なお、取締役会設置会社の取締役は3名以上でなければいけません。

<具体的記述例>
当会社の取締役は3名以上を置く。

事業年度

1年以内で、任意に1事業年度を決めることができます。
決算月は、他の法律により規制を受けている場合を除き、自由に設定することができます。

<具体的記述例>
当会社の事業年度は毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする。

定款の記載例

下記に、定款のサンプルを掲載します。

定款サンプル:発起設立、取締役会がない場合(HTML)

定款サンプル:発起設立、取締役会がない場合(ワード)



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