1.貸金業者の金利を規制する法律
- 出資法:刑事罰が科される金利を定める法律
- 利息制限法:民事効力の限界となる金利を定める法律
2.利息制限法の上限金利
利息制限法で次の通り定められており、上限を超える利息の契約は、その部分について無効となります。
元本 | 利息制限法 |
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
3.グレーゾーン(利息制限法と出資法の関係)
利息制限法の上限金利と、出資法の規制金利(29.2%超に罰則)との間は、いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれ、
ほとんどの貸金業者はこのグレーゾーン内で利息を設定しています。
貸付元本が100万円以上の場合を例にとると、次の通りです。
利息制限法 | グレーゾーン | 出資法 |
年15%以内 | 年15%超〜29.2%未満 | 年29.2%超 |
適法 | 違法だが罰則なし | 違法かつ罰則あり |
有効 | 無効 | 無効 |
4.引き直し計算による過払金の抽出
契約当初からの債務整理開始までの、いつ・いくら借りたのか・いくら返したのか・元本・利息・残債務額が全て記録された書面を基に、
引き直し計算(その取引が利息制限法所定の利率だった場合を再現する計算)を行い、いくらの過払金が発生しているのかを計算します。
例)100万円を借り入れしたとした場合
出資法の上限金利である29.2%で計算すると1年間で292,000円の利息が生じます。
しかし、利息制限法の基準を超えてしまい、 利息制限法を超える部分の約定利息は民事上無効になります。
利息制限法の上限金利100万円以上15%で計算しなおすと1年間で150,000円の利息が発生し、差額142,000円の過払が生じます。
もし、支払いの最中であれば元金の返済に充当され、完済後であれば過払として返還請求が出来ます。

5.過払金還請求訴訟
過払いが発生していた場合、原則としてまずは訴訟外において、過払い金の返還を請求し、過払い金を回収しますが、
過払金返還請求に対して非協力的な貸金業者に対しては、訴訟を提起しての請求を行うことになります。
過払い金の性質は、不当利得返還請求権です。
参考
第703条(不当利得の返還義務) 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、 そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、 これを返還する義務を負う。 第704条(悪意の受益者の返還義務等) 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付けて返還しなければならない。 この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。 |
6.過払金の返還請求の期限
既に完済した場合でも、過払金の返還請求はできます。ただし、完済してから10年以上を経過している場合は
貸金業者から消滅時効を主張されるので、完済してから10年を経過しているケースでは、返還してもらうのは極めて困難となります。
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