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1. 金融商品取引法の概要

入力者 山下章太 更新日 20071012

平成18年6月7日に「証券取引法等の一部を改正する法律」(証取法等改正法)および 「証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」が成立し、 6月14日に公布されました。 これにより証券取引法は全面的に改正されて「金融商品取引法」(いわゆる投資サービス法)となり、 株式・債券といった伝統的な有価証券に限られないさまざまな金融商品に包括的・横断的に適用される法制が整備されました。 今回の改正は、利用者保護ルールの徹底と利用者利便の向上、 貯蓄から投資に向けての市場機能の確保および金融・資本市場の国際化への対応を図ることが目的とされ、 いわゆる投資サービス規制、開示制度、取引所制度の整備が行われ、罰金・課徴金が引き上げられました。 同時に、銀行法、保険業法などの関係法律が改正され、利用者保護ルールについて、 基本的に金融商品取引法と同様の規制が適用されるようになりました。

2007年9月30日付で「金融商品取引法」が施行されています。

基本的には、「証券取引法」を改正して作成された法律ですので、章立てなどは用語の違いはあっても、構成はほとんど同じです。

具体的には、以下のような章立てになっていますが、これだけを見れば、 「証券」という用語が「金融商品」という用語に変更されているだけ、という印象を受けます。

変更前 変更後
第1章 総則 同左
第2章 企業内容等の開示 同左
第2章の2 公開買付に関する開示 同左
第2章の3 株券等の大量保有の状況に関する開示 同左
第2章の4 開示用電子情報処理組織による手続の特例等 同左
第3章 証券会社等 金融商品取引業者等
第3章の2 証券仲介業者 金融商品仲介業者
第4章 証券業協会 金融商品取引業協会
第4章の2 投資者保護基金 同左
第5章 証券取引所 金融商品取引所
第5章の2 外国証券取引所 外国金融商品取引所
第5章の3 証券取引清算機関等 金融商品取引清算機関等
第5章の4 証券金融会社 同左
第6章 有価証券の取引等に関する規制 同左
第6章の2 課徴金 同左
第7章 雑則 同左
第8章 罰則 同左
第9章 犯則事件の調査等 同左
附則 - -

今回の法改正では、現在の縦割業法を見直し、幅広い金融商品を対象とする法制を整備するため、 金融先物取引法等が廃止され、証券取引法に統合されています。 証券取引法等からの主な改正点は以下の通りになっています。

  • 証券取引等監視委員会の権限強化、相場操縦等への規制強化
  • 公開買付け(TOB)制度と大量保有報告書制度の見直し
  • 投資家保護のためのディスクロージャーの充実

これによって、以下の法律が廃止されることになります。

  • 外国証券業者に関する法律
  • 有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律
  • 抵当証券業の規制等に関する法律
  • 金融先物取引法

金融商品取引法では、章立てを見て分かるように、対象となる業者の名称も変更されています。
例えば、「金融商品取引業者」という名称です。

従来の有価証券取り扱う業者=金融商品を取り扱う業者=金融商品取引業者となりますので、 「証券会社」は法律上、「金融商品取引業者」になります。 ただし、急に名称変更すると混乱が生じますので、「証券会社」という名称は引き続き使用可能となっています。

また、「証券取引所」と「金融先物取引所」は、法律上「金融商品取引所」になりました。 同様に、「証券取引所」という名称は引き続き使用可能ですが、 「東京金融先物取引所」は名称を「東京金融取引所」に変更しています。

金融商品取引法では、金融商品を取り扱う業者を以下のように分類しています。

第一種金融商品取引業者

従前の証券会社のように、流動性のある金融商品の勧誘・販売を業とするもの

第二種金融商品取引業者

流動性のない金融商品の勧誘・売買を業とするもの。 ファンドの自己募集もこちらに該当します。

投資助言・代理業者

「助言業務」は投資顧問業が登録を受けて行う投資助言業務にほぼ相当。 有価証券関連以外のデリバティブ取引に関する投資助言が認められた。

「代理業務」は証券取引法と投資顧問業法で規制対象となっておらず、取り扱いが明確でなかった業務ですが、 金融商品取引業の一つとして位置づけられ、取り扱いが明確になりました。

投資運用業者

「投資運用業」とは、投信業務や投資一任業務に相当するもの。 有価証券関連以外のデリバティブ業務に関する投資一任契約も認められるようになりました。

有価証券等管理業務

具体的にはカストディ業務を意味しています。従来は証券会社の付随業務とされているものですが、 金融商品取引法では第一種金融商品取引業とされているため、有価証券等管理業務を行うためには、 第一種金融証券取引業の登録を受けることが必要になっています。



金融商品取引法の規制の対象

金融商品取引法の対象商品は、従来の証券取引法に比べて拡大しています。
従来は、限定列挙方式を採用しており、欧米と比較すると対象商品が大幅に少なくなっていましたが、 これを欧米並みに拡大することを意識して拡大が行われたようです。

ただし、商品デリバティブ・預金・保険については、直接的には規制されないことになっています。

直接的に有価証券として定義されているものとして、新たに加えられたものとしては、受益証券、抵当証券、 金融商品市場・外国金融証券市場におけるオプションを表示する証券があります。
証券取引法では、投資信託、貸付信託、特別目的信託の受益証券のみが対象とされ、それ以外の受益証券は対象外となっていました。

「みなし有価証券」についても範囲が広げられています。 具体的には、信託受益権(外国含む)、集団投資スキーム持分(外国含む)などが追加されています。

金融商品取引法では、投資性の強い金融商品・サービスに、同等の規制を課す観点から、 既存の利用者保護法制の対象となっていない「集団投資スキーム」(いわゆるファンド)に 関する包括的な定義規定が設けられています。

ここでいう集団投資スキームとは、

  • 組合契約、匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約等に基づくもの
  • 出資または拠出が行われている
  • 出資された金銭を用いて事業を行う
  • 事業から生ずる権利の配当または当該出資対象事業に係る財産の分配を受ける
というものになります。 なお、出資者全員が出資対象事業に関与する場合等は除かれます。

いわゆる商品ファンドについては、証券取引法では商品ファンド法(商品投資に係る事業の規制に関する法律)の 規制対象でしたが、組合型か信託型かを問わず、みなし有価証券として取り扱われ、 金融商品取引法の対象となります(2条1項14号、2項1,5号)。



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