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不動産投資に関する会計

項目

2. 不動産における伝統的な会計基準への影響

入力者 山下章太 更新日 20110501

不動産における伝統的な会計基準への影響

日本の会計基準は、税法上の扱いを取り入れて会計処理を行ってきました。
IFRSへの移行によって、完全に現在の会計基準が利用できるかどうかは、非常に流動的です。

@税法上の償却資産の扱い

まず、日本の会計基準は税法の扱いによって、影響が異なりますが、「中小企業者」に該当するかどうかによって、 適用される税務上の扱いが違ってきます。
まず、中小企業者とは、以下のような法人をいいます。
・資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
※大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上を所有されている法人 及び2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を所有されている法人を除く
・常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
中小企業の場合は、下記のような償却資産の特例が存在します。

名称 基準 会計処理
少額減価償却資産 取得価額が10万円以下 費用処理可能
少額減価償却資産 取得価額が30万円以下 中小企業者の場合、取得価額の合計額が300万円までは全額費用処理可能
一括償却資産 10万円以上20万円未満 3年間で償却可

IFRSでは、税法の影響を受けませんので、このような特例処理はありません。

A耐用年数に関する影響

日本においては、税法上の耐用年数を利用して、会計処理を行うということが行われてきました。
税務上は、償却額が少ない方が(利益が大きい方が)、税金の金額が増えます。
税金を徴収する税務署としては、耐用年数はできる限り長い方が(利益を多く計上させた方が)、 税金が多く徴収できますので、良いわけです。このような理由から、税法上の耐用年数には、 経済的耐用年数(実際に使用できる年数)を遥かに超えていると思われるものも存在します。
下記が代表的な減価償却資産の耐用年数ですが、耐用年数は各社の利用状況によって異なるものであるため、 耐用年数が一律に全ての会社に適用されるということは、理論上はないはずです。
また、同じ事務用机を15年も使ったり、同じパソコンを4年も使ったりすることも、ほとんどないはずです。

名称 細目 用途 耐用年数
建物 鉄骨鉄筋コンクリート 事務所用 50年
建物 鉄骨鉄筋コンクリート 住宅用 47年
車両及び運搬具 自動車(二輪又は三輪自動車を除く。) 普通自動車 6年
器具及び備品 家具 事務机(主として金属製のもの) 15年
器具及び備品 事務、通信機器 パソコン(サーバー以外) 4年

IFRSでは、経済的耐用年数を各社が独自に見積もることによって減価償却を行う必要がありますので、 今までのように、税法が政策的に決定した耐用年数を日本中の全ての会社が採用する必要はありません。
各社ごとに利用方法も違う訳ですから、耐用年数も違ってくるはずです。 税務上の耐用年数がIFRSの導入に合わせて変更されるかどうかはわかりませんが、 会計上の減価償却費と税務上の減価償却費が異なる可能性が高いと思います。
仮に、IFRSが導入されて会計上の耐用年数が税務上の耐用年数と異なる場合は、会社は会計上と税務上の2種類の減価償却費を 計算しなければなりません。 会社の規模によりますが、減価償却資産はかなりの数に上ると思いますので、 完全な二重帳簿を作らなければ対応できなくなります。
システムの導入を含めると、上場企業各社にものすごい負荷が掛かかります。




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【書籍情報】
書籍名:金融マンのための不動産ファイナンス講座
著者:山下章太
出版社:中央経済社
発行日:2011年3月25日
税込価格:3,150円
A5判/300頁
ISBN978-4-502-68490-6

内容(「BOOK」データベースより)
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