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不動産投資に関する会計

項目

7. 不動産流動化とオフバランス

入力者 山下章太 更新日 20110503

不動産流動化とオフバランス

日本において、流動化等のオフバランス(資産負債の消滅)を判定する考え方は、以下の2種類あります。

  • ・財務構成要素アプローチ
  • ・リスク経済価値アプローチ

まず、財務構成要素アプローチは、日本における金融商品会計基準で原則的に採用されている考え方で、 金融商品の消滅に関して、消滅した部分のみを切り離して、消滅させるということを想定しています。財務構成要素アプローチでは、 残存部分と消滅部分を切り分けし、消滅部分のみを売買によってオフバランス処理します。

財務構成要素アプローチのイメージ

財務構成要素アプローチ

これに対して、リスク経済価値アプローチは、資産・負債から発生する「リスクとリターンのほとんどが消滅したかどうか?」という点を重視します。 よって、部分的に消滅したという考え方は存在しません。 リスク・リターンのほとんど全てが譲渡先に移転していると判断できる場合には、全部を消滅させるという考え方を採り、 リスク・リターンの移転がほとんど全部とまで言えない場合は、全て消滅させないという考え方を採ります。

リスク経済価値アプローチのイメージ

リスク経済価値アプローチ

現時点における日本の会計基準では、大部分が、財務構成要素アプローチを採用していますが、 一部の会計基準のみがリスク経済価値アプローチを採用しています。 リスク経済価値アプローチを採用している会計基準と財務構成要素アプローチを採用している会計基準の例を挙げれば、下記の通りです。

日本における消滅の認識の基準

タイプ 会計基準 内容
リスク経済価値アプローチ ・不動産の証券化(会計制度委員会報告第15号)
・ローン・パーティシペーション(会計制度委員会報告第3号)
リスクと経済価値のほとんど全てが他の者に移転した時に、消滅を認識する
財務構成要素アプローチ ・金融商品会計基準 営業取引(売上、仕入)などを除く、上記以外の資産・負債の消滅について、残存部分以外の消滅を認識する。

不動産の流動化については、一般的な資産の消滅要件とは異なり、リスク経済価値アプローチを採用しますので、 不動産のリスクと経済価値のほとんど全てが他の者に移転したかどうかという観点から、オフバランスの可否を判断することとなります。

会計制度委員会報告第15号では、不動産のオフバランスの要件として、参考となる数値基準を設けていますが、 リスク負担割合が5%程度であれば、リスクと経済価値のほとんど全てが他の者に移転しているとみなすことができると解釈されています。 すなわち、不動産の場合のオフバランス基準は、下記の通りとなります。

リスク負担割合(=リスク負担額÷譲渡額)<5%

会計基準におけるオフバランスを判断するためのフローチャートは、下記のようになります。

特定目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理のフローチャート

会計処理のフローチャート

このオフバランスの基準は、「5%ルール」と一般的に言われているものですが、IFRSへの移行に伴い、 今後もこの会計基準における取扱いが可能かどうかは流動的と言えます。




ご参考情報

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【書籍情報】
書籍名:金融マンのための不動産ファイナンス講座
著者:山下章太
出版社:中央経済社
発行日:2011年3月25日
税込価格:3,150円
A5判/300頁
ISBN978-4-502-68490-6

内容(「BOOK」データベースより)
不動産をファイナンスとして利用するための基礎知識や、担保価値を把握するための手法、不動産を利用したファイナンスに関するさまざまな特徴を、難解な部分を極力排除したうえで、事例を交えながら解説。

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