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不動産投資に関する会計

項目

11. 法人・個人による税金の違い

入力者 山下章太 更新日 20110506

法人・個人による税金の違い

法人や個人の税金の取扱いを、それぞれに応じて説明してきましたが、ここでは不動産の取得・売却や相続などに関わらない、 一般的な不動産所得に関する違いについて説明します。

まず、法人の場合は、不動産から発生する所得であったとしても、原則として他の所得と区別されません。
法人税の算定は、

税金額=(益金―損金)×税率

として計算されますが、基本的にどのような事業から発生した所得であるかは問いません。

これに対して、個人の場合は、発生する所得の性質によって、いくつかの区分がなされます。

個人の所得の種類

所得の種類 内容
利子所得 預貯金、公社債の利子、公社債投資信託等の収益の分配に係る所得
配当所得 株主や出資者が法人から受ける配当や、投資信託の分配などに係る所得
不動産所得 土地や建物などの不動産、不動産の上に存する権利等の貸付けによる所得
事業所得 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得
給与所得 サラリーマンなどが勤務先から受ける給料、賞与などの所得
退職所得 退職により勤務先から受ける退職手当や加入員の退職に基因して支払われる厚生年金保険法に基づく一時金などの所得
山林所得 山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得
譲渡所得 土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得、建物などの所有を目的とする地上権などの設定による所得
一時所得 上記のいずれの所得にも該当しないもので、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のもの
雑所得 上記の所得のいずれにも該当しない所得(年金、非営業用貸金の利子、印税など)

法人の場合は、個人のように所得区分がわかれているわけではなく、全部の所得の合算で計算しますので、 株で損失が発生した時に、事業から発した利益と相殺することができます。

個人の場合は、所得区分に応じて、損益通算(他の所得区分のプラスとマイナスを合算すること)できるかどうかがわかれていますので、 売却損が発生したとしても、他の利益からマイナスできない場合もあります。

不動産賃貸に関する所得は、不動産所得として、扱われることになります。
この不動産所得は、仮に所得がマイナスになった場合は、他の利益と損益通算することができます。

一方、不動産を譲渡した際に発生する所得は、譲渡所得に分類されますが、一定の居住用以外の不動産の場合は、損益通算することができません。

少し細かく説明すると、譲渡所得に生じた損失のうち、一定の居住用財産以外の土地建物等(投資用不動産など)の譲渡所得に生じた損失がある場合は、 土地建物等の譲渡所得以外の所得と損益通算はできません。

また逆に、土地建物等の譲渡所得以外の損失も、土地建物等の譲渡所得の金額と損益通算できません。

たとえば、下記のように、事業所得が500、不動産(投資用)の譲渡所得が△60の場合、不動産の譲渡所得は事業所得と損益通算できませんので、 事業所得をマイナスして、節税することはできません。

不動産の譲渡所得

逆に、下記のように事業所得が△500で、不動産(投資用)の譲渡所得が100の場合でも、譲渡所得のプラスを事業所得で相殺するということはできません。
すなわち、この場合も損益通算はできません。

不動産の譲渡所得2

実際に損益通算できる場合は、どのような場合かというと、図表Xのような場合です。

A物件、B物件の譲渡所得があり、それぞれがプラスとマイナスの場合は、相殺することが可能です。
すなわち、投資用不動産の譲渡所得は、同一区分(譲渡所得)の中でしか相殺することができず、他の所得との損益通算は一切認められていません。

不動産の譲渡所得3

このように、法人・個人によって、税金の扱いは異なりますが、特に個人の場合は、取り扱いが複雑になりますので、留意して下さい。




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【書籍情報】
書籍名:金融マンのための不動産ファイナンス講座
著者:山下章太
出版社:中央経済社
発行日:2011年3月25日
税込価格:3,150円
A5判/300頁
ISBN978-4-502-68490-6

内容(「BOOK」データベースより)
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