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投資不動産の評価に関する事項

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6. 不動産鑑定評価の方式(原価方式、収益方式、比較方式)

入力者 山下章太 更新日 20110517

鑑定評価の方式(原価方式、収益方式、比較方式)

鑑定評価には価格の評価と賃料の評価があるといいましたが、鑑定評価の方式は、価格を求める手法と賃料を求める手法に分類されます。
鑑定評価には、「原価方式」、「比較方式」、「収益方式」の3つの手法がありますが、それぞれを簡単に説明すると、以下のようになります。

@原価方式

まず、原価方式とは、不動産の再調達に要する費用に着目して求めようとする方式です。
不動産を立てるのに、どれくらいの費用が掛かるかという点を重視して算定する方法ですので、株式評価におけるコスト・アプローチに似ています。
また、不動産の鑑定評価によって求める対象は、価格と賃料の2種類です。価格を求める場合と賃料を求める場合は同じ原価方式でも呼び方が違うのですが、 それぞれの評価手法の呼び方は、以下のようになります。
・価格:原価法(対象不動産の再調達原価から減価修正を行って価格を試算する手法。)
・賃料:精算法(対象不動産の基礎価格から必要諸経費などを加味して賃料を試算する手法。)
ここで、再調達原価という言葉が出てきていますが、再調達原価とは、現時点において 同じ不動産を購入したとする場合に必要となる原価(コスト)の総額を指しています。
また、基礎価格とは、積算賃料(積算法によって求められる試算賃料)を求めるための基礎となる価格をいいます。
基礎価格は原価法及び取引事例比較法により求めます。ただし、土地の場合、既成市街地においては、 土地の再調達原価の把握が困難なケースも多いので取引事例比較法を用いる場合がほとんどです。
なお、賃料を求めるために収益還元法(詳細は後述)を適用することは、循環論になりますので、適用はできません。

A比較方式

次に、比較方式とは、過去に行われた実際の不動産取引の事例から価格を求めようとする方式です。
類似の取引事例を元に不動産の価格や賃料を算定しますので、財産評価におけるマーケット・アプローチの一種と言えます。
また、不動産の鑑定評価で求める対象は、価格と賃料の2種類がありますが、それぞれの評価手法の呼び方は、以下のようになります。
・価格:取引事例比較法(近隣・類似地域における取引事例を基に価格を試算する手法。)
・賃料:賃貸事例比較法(多数の賃貸事例の中から適切なものを収集し、それに基づいて賃料を算出する手法。)

B収益方式

収益方式とは、対象不動産から生み出されるであろう収益から価格を求めようとする方式です。
不動産以外の価格評価にも、DCF法(Discounted Cash Flow法)などが採用されていますが、これと同様の算定方法です。

こちらについても、評価対象が価格なのか賃料なのかによって、以下の2種類の評価方法が存在します。
・価格:収益還元法(対象不動産が将来生み出すと期待される収益から価格を試算する手法。)
・賃料:収益分析法(対象不動産が将来生み出すと期待される収益から賃料を算出する手法。)
以上で、簡単に、「原価方式」、「比較方式」、「収益方式」の説明をしましたが、評価方法、価格・賃料の別に応じた、 鑑定評価の呼び方と算定される価格を分類すると、図表Xのようになります。

不動産鑑定方式の分類と算定される価格の種類

不動産鑑定方式

また、不動産以外の財産評価方法と比較した場合は、図表Xのようになります。

債権評価を実施する際には、マーケット一般的に類似取引価格が不明ですので、スプレッド水準を試算する以外はあまり利用されることはありませんが、 不動産評価の方式は、比較的株式評価に似ていると思います。

評価対象に応じた評価方法の違い

評価方法の違い




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著者:山下章太
出版社:中央経済社
発行日:2011年3月25日
税込価格:3,150円
A5判/300頁
ISBN978-4-502-68490-6

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