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不動産ファイナンスの基礎論点

項目

11. 不動産のオフバランス取引

入力者 山下章太 更新日 20110611

不動産のオフバランス取引

オフバランス取引とは、会社のB/S(バランス)から消える(オフ)取引、又は、会社のB/S(バランス)に 登場しない(オフ)取引です。会社のB/Sに計上される取引は、オンバランス取引といいます。

オフバランス取引には、流動化・証券化、保証、リースなどさまざまな種類があります。

リース取引

リース取引は、基本的には賃貸借契約ですので、家賃を支払うのと同じで、リース料を支払う必要はありますが、 最大のメリットは、自社で購入すると購入資金の調達が必要となり、有利子負債の金額が異常に膨らむ点にあります。

少し極端な例で説明します。

業績が順調に推移したA社が、本社建物を建設しようとしていますが、建設に必要な資金が30億円 だったとします。自社で購入を行うと、30億円の借入を行って建設することになります。

A社の本社建設前のB/Sおよび返済能力は下図の通りでした。



【八重洲トレーディングの本社建設前のB/Sおよび返済能力】

本社建設前のB/Sおよび返済能力

ここで、30億円の借入を行って自社で建設を行う場合、借入および建設後のB/Sは図表Xとなります。ここで、営業CFが 3億円に減少していますが、有利子負債営業CF倍率が13.3倍に急激に増加し、返済能力が大幅に悪化しています。



【自社で建設した場合のB/Sおよび返済能力】

自社で建設した場合のB/Sおよび返済能力

これを、自社建設ではなく、リース契約で建物を建設した場合が図表Xのようになります。この場合は、借入金・不動 産の金額はB/Sにオンバランスされませんし、有利子負債営業CF倍率も3.3倍と、建設前の水準とほとんど同じ水準のまま、 本社ビルの建設ができています。

【リースで本社建設をした場合】

リースで本社建設をした場合



リース取引を賃貸借処理した場合は、オフバランスで処理できることから借入等の債務を会計上認識する必要はなく、 債務償還能力に関する指標も悪化しないことが分かります。

同様に、投資利益率(ROA)についてもリースを賃貸借処理とした方がよくなります。

すなわち、この例でROA(=当期利益÷総資産)を計算すると、以下のようになります。

オンバランス処理の場合=3÷50=6%

オフバランス処理の場合=3÷20=15%

このような理由から、リース取引を選択する会社が多く存在していたといえます。



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