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不動産ファイナンス(融資取引)

項目

1. 融資取引における資金使途

入力者 山下章太 更新日 20110813

資金使途とは

資金使途とは、お金の使い道ですが、大きく以下の3つに分類されます。 銀行では頻繁に利用される用語ですが、不動産に投資を行う不動産ファンドや、 株式投資を行うベンチャー・キャピタルなどでは概念的には理解されていても、 社内であまり利用しないケースもあります。

  • 設備資金(生産力増強資金、設備近代化・合理化資金等)
  • 運転資金(経常運転資金、増加運転資金等)
  • その他資金(投融資資金、つなぎ資金、赤字資金等)

設備資金は、工場や設備等への支出のための資金ですので、比較的分かりやすいと思います。 運転資金は、売掛と買掛のサイトを埋めるための資金で、会社を運営するために必要な資金です。

その他資金は、赤字を補填するための資金であったりと、あまり前向きな資金ではないため、 銀行は基本的には融資しない資金です。融資しても貸倒れる可能性が高いからです。

会社も銀行も、「赤字資金」として借入を依頼することも、融資をすることもできませんので、 よく分からない資金を「運転資金」として扱っているケースがあります。ただし、これは、資金使 途としては誤った融資をしていることになります。

運転資金とは

「運転資金」は、一般的には、B/Sを元に算定することになりますが、

運転資金=売掛金+商品―買掛金

として算定される金額が運転資金です。

【図表:A社の貸借対照表】

現金預金2億円買掛金2億円
売掛金4億円短期借入金6億円
商品4億円長期借入金10億円
機械設備10億円純資産3億円
土地1億円

A社を例にすると、A社のB/S(図表X)から、売上・ 仕入の回転期間(資金の回収や支払までの期間)は、以下のようになります。

売掛金の回転期間=4億円÷20億円(年間売上)×12カ月=2.4カ月

商品の回転期間=2億円÷10億円(年間売上)×12カ月=2.4カ月

買掛金の回転期間=2億円÷10億円(年間売上原価)×12カ月=2.4カ月

「売掛金」は、商慣行上の「掛け」で販売した場合の未回収分です。ある会 社に商品を販売して、入金があるまでの間、「売掛金」としてB/Sに計上されて います。「買掛金」は仕入れてまだ支払いを行っていない未払金です。

A社のケースは、買掛金のサイトが2.4カ月ですので、商品を仕入 れてから、仕入先に2.4カ月後にお金を支払っています。商品を在庫として保有 してから販売までの期間が2.4カ月、販売してから入金までの期間が2.4カ月とな っていますので、商品を仕入れてから実際にお金が入ってくるまでに、合計4.8カ 月も必要になっています。

企業の資金繰りに少しでも触れたことがある人であれば、それほど違和感は 無いと思いますが、ここで初めて企業の資金繰りに触れた人は、想像以上に、資 金回収に時間が掛かっていることに、びっくりすると思います。

A社の場合、仕入れた商品の代金を2.4カ月後に支払っていますので、 運転資金(会社を営業させるために必要となる資金)として必要となる金額を計算 すると、

運転資金=売掛金+商品―買掛金=4億円+2億円―2億円=4億円

となります。

手許に資金が無い場合は、銀行借入などによって資金を調達します。売掛金の 回収で4億円入ってきますので、銀行としては4億円までは正常な運転資金として、 融資することができます。

この運転資金は、機動的に資金を確保することが必要となりますので、大きな 仕入が発生するというときに、その度ごとに、銀行に融資を依頼することは大変な 作業になります。また、短期資金である運転資金を株式で調達するということはあ りえません。

運転資金の融資を受ける際に、会社の信用力でカバーできる部分ももちろんあ りますが、不動産担保をあらかじめ設定しておき、一定枠までの借入を機動的に 行えるようにしておく方が、資金調達の観点から言うと、効率的ですので、運転資 金を調達するということにおいても、不動産を担保として設定しておくという利用 方法は、有効です。



設備資金とは

設備資金とは企業が建物や機械などの生産設備に投下する資金のことです。

長期の資金ですので長期借入金・社債または株式の形で調達されるのが一般的です。

借入で調達した場合は、設備使用における期間で借入を返済していくことになり、 追加借入は前提としていません。運転資金融資は、何度も資金を調達することを前提 としていますが、設備資金融資の場合、借りるのは1回だけで、あとは経済的耐用年数 に応じて返済を行っていくことが前提となります。

このように、設備資金は、運転資金とは異なり、返済してしまうことが大前提となります。

不動産の購入資金は、設備資金と同様の貸付方法ですので、建設した不動産の耐用年数 に応じて、借入金を返済することになります。




ご参考情報

弊社代表の山下が執筆した不動産ファイナンスの入門書(金融マンのための不動産ファイナンス講座)が、全国書店でお買い求めいただけます。

【書籍情報】
書籍名:金融マンのための不動産ファイナンス講座
著者:山下章太
出版社:中央経済社
発行日:2011年3月25日
税込価格:3,150円
A5判/300頁
ISBN978-4-502-68490-6

内容(「BOOK」データベースより)
不動産をファイナンスとして利用するための基礎知識や、担保価値を把握するための手法、不動産を利用したファイナンスに関するさまざまな特徴を、難解な部分を極力排除したうえで、事例を交えながら解説。

出版社リンクページ:
金融マンのための不動産ファイナンス講座

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