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為替デリバティブ

項目

1. 為替デリバティブに関する基本的な考え方

入力者 山下章太 更新日 20120324

為替デリバティブは、近年の急激な円高によって、損失額が拡大しているケースが多く発生しています。

為替デリバティブは、外貨建てのデリバティブを総称して使用される用語ですが、主に多額の評価損益が発生するものは、通貨交換型のスワップ取引です。

デリバティブ 1. デリバティブ取引の概要」 でも記載しましたが、そもそもデリバティブ取引は、フォワード取引(先物取引)、オプション取引、スワップ取引の3つに分類されます。

それぞれを簡単に比較すると、下記のようになります。

デリバティブの種類

種類   取引の特徴 読みが外れた場合
フォワード取引   将来の売買を現時点で決定する取引例:
 1年後に1ドル100円で購入する
基本的には、キャンセルできないため、損失が発生する。
オプション取引   権利の売買例: 1年後にトヨタ株を1,000円/株で
 購入する権利を購入する
権利を放棄すれば、損失を負う必要はない(ロングの場合)。
スワップ取引   何かと何かを交換する
 例:今後3年間、固定金利と変動金利を交換する。
基本的には、キャンセルできないため、損失が発生する。


通貨スワップの種類

ここで、通貨スワップが最も評価損益が大きくなると記載しましたが、通貨スワップは下記のように分類されます。
伝統的に利用されてきた通貨スワップは、下記のベーシス・スワップですが、近年は通貨交換取引のタイプが急激に増えてきています。



ベーシス・スワップ ・各通貨の変動金利を交換する
通貨交換取引 ・外貨建借入金のヘッジに用いられることも多く、借入元本と同様に契約時に元本交換を行うケースも多い。


通貨スワップと同様の取引:為替予約取引との比較

通貨スワップが最も評価損益が大きくなるといいながら、同様の取引の先物取引、オプション取引も存在します。

通常の為替予約取引は、1年後の米ドル/日本円の為替レートを固定するなどの契約(個別予約)になりますので、1つの取引は1回だけ資金の受払が行われることになります。

ただし、継続的に為替予約が必要な会社(毎月1百万ドルの部品を海外から仕入れている会社など)は、為替予約が1回だけではなく、毎月必要になってきます。

このような場合、会社は月1百万ドルの資金決済が必要になってきますので、1百万ドルを日本円で24ヶ月間交換する為替予約を締結することになります。

スワップは、「何かと何かを交換する取引」ですが、24ヶ月間の米ドルと日本円を交換(予約)する取引を為替予約取引というのか、 通貨スワップというのかは、微妙なところです。

この取引を「24ヶ月間に渡って通貨を交換する」と考えた場合は、「通貨スワップ」という呼び方になると思いますし、
「為替予約取引を24回連続で行う」と考えた場合は、「為替予約」という呼び方になると思います。

呼び方は違えど、全く同じ取引を意味していますので、混乱せずに何をしているかということをよく理解して下さい。
デリバティブには、このように、呼び方が違うだけで全く同じ内容の取引である場合もよくありますので、本質を見抜くことが重要になります。

連続する為替予約取引を、包括為替予約取引といいますが、通貨スワップと同様に為替予約取引を利用するケースは、下記のようになります。

【包括為替予約契約の例示】

取引形態 毎月リセット型米ドル買い/円売り予約
取引約定日 2012年3月31日
計算代理人 A銀行
米ドルの買い手 B商事
米ドルの売り手 A銀行
営業日 東京(修正翌営業日)
受渡日 2012年4月以降2017年3月までの毎月末営業日(計60回)
リセット日 受渡日の2東京営業日前
元本 1百万米ドル
為替予約レート 70円/米ドル
為替スポット・レート 78円/米ドル(2011年12月30日時点)


通貨スワップと同様の取引:オプション取引との比較

同様にオプション取引においても、同様の効果を実現する取引があります。

このタイプは、コール・オプションの買いとプット・オプションの売りをクロスで行い、通貨スワップと同じ決済取引を行います。

一般的には、オプション取引は1回の権利行使で終了します。通貨スワップと同様の効果を作り出すために、為替予約と同様に複数回の契約を同時に締結します。
たとえば、2年間毎月決済をするためには、24個のオプション契約を同時に締結することになります。

ただし、先物と違う点は、権利売買のため、一方にしか損益が出ません。この点を通貨スワップと同じにするためには、 一定の為替レート以上でプラスとなるオプションと一定の為替レート以下でマイナスとなるオプションを組み合わせする必要があります。

よって、結果的には、24回×2=48個の通貨オプションを契約することになるのです。

オプションによって、24回決済を行う通貨オプションとするためには、下記のようなオプション取引の組み合わせを24ペア締結します。

コール・オプション

取引約定日 2012年3月31日
権利行使者 A商事
米ドルの買い手 A商事
米ドルの売り手 A銀行
元本 100,000米ドル
行使価格 73円/米ドル
権利行使日 2012年4月30日

プット・オプション

取引約定日 2012年3月31日
権利行使者 A銀行
米ドルの買い手 B商事
米ドルの売り手 A銀行
元本 100,000米ドル
行使価格 73円/米ドル
権利行使日 2012年4月30日


以降では、レバレッジ(レシオ)形の為替デリバティブ、ギャップトリガー付の為替デリバティブなど、代表的な為替デリバティブについて解説していきます。




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