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不動産の取得方法と税金の関係

入力者 山下章太 更新日 20130815


今回は、実際に活用できるかどうかはともかく、 取得方法とそのメリット・デメリットについて考えてみようと思います。

・不動産の取得方法

不動産を取得する方法としては、不動産の現物をそのまま取得することが一般的に行われていますが、 相続などを考えた場合、必ずしも不動産の現物を取得することが得策ではない場合もあります。

ここでは、不動産の取得方法として、@現物の取得、A債権の取得、B株式の取得、

C信託受益権の取得の4つを例にして説明します。 まず、@不動産を現物で取得する場合、軽減税率を無視して建物を取得した場合を考えると、 不動産価格の6%の不動産流通税(登録免許税、不動産取得税)が掛かります。

10億円の不動産を取得する場合は6千万円の不動産流通税が掛かりますが、宅建業者の手数料を3%とすると、 約1億円近い費用が購入時に掛かる訳です。不動産を取得する際には、実際の物件取得費用以外に、 多額の費用が必要となります。

これに対して、A債権を取得する場合、B株式を取得する場合は、不動産流通税は掛かりません。 C信託受益権を取得する場合も、登録免許税がほとんど発生しないため、10億円の不動産を取得する場合、 6千万円のコスト削減になります。

不動産は登記簿謄本の甲区に名前が載らなくても取得できますので、コストを考えると、 取得方法も柔軟に検討した方が良い場合もあります。

また、不動産仲介業者は、@不動産現物を紹介してきますが、他の取得方法(A〜C)だと、 宅建業に基づく仲介手数料が取れないからです。当然といえば、当然です。



【不動産の取得方法の比較】

ケース 取得方法 登録免許税 不動産取得税 仲介業者の許認可
1 現物の取得 不動産価格の2% 不動産価格の4% 宅建業
2 債権の取得 - - なし
3 株式の取得 - - なし
4 信託受益権の取得 一筆1,000円 - 金融商品取引業者

*軽減税率を加味しない建物の取得の場合として記載

・メリットとデメリット

現物以外の不動産取得によって、取得費用が安くなるという話をしましたが、 どのようなメリット・デメリットがあるかを理解しておく必要があります。 ここでは、それぞれのメリット・デメリットについて、簡単に説明します。

まず、A債権の取得は、不動産を取得するわけではなく、不動産担保付ローンを取得します。 直接不動産を取得するのではなく、所有者(債務者)が受け取った賃料から元利金の支払いを受けることになり、 借入人(債務者)の信用リスクの影響を受けます。

担保権を実行すれば、不動産の取得は可能ですが、その際には、不動産流通税が掛かるため、 節税効果はありません。債権の取得価格がトータルで安くなるかどうかで判断することになります。



B株式の取得は、会社のM&Aと同じです。会社には、不動産以外の資産・負債がありますが、 仮に、不動産10億円と借入金10億円のみの会社は、純資産0円で購入します。 また、不動産の売買ではありませんので、流通税は掛かりません。

既にレバレッジが掛かった状態で購入しますので、10億円の不動産を保有している会社を0円で購入できるなど、 取得費用を抑えることができる場合があります。

ただし、気を付けないといけないのが、会社に隠れた債務(簿外債務)が無いとは言い切れないため、 売主がどれくらい信用できるかということがポイントになります。



C信託受益権を取得する場合も、流通税はほとんど掛かりません。 また、信託受益権とは、信託銀行などが不動産を預かっているため、 B株式を取得する場合のように不動産以外のリスクを取る必要はありません。

ただし、不動産の管理を信託銀行などに委託しているため、管理費用が掛かってきます。 取得費用は安くて、リスクも少ないのですが、管理費用を考えて、 トータルでどちらが割安かを判断する必要があります。



【取得方法によるメリット・デメリット】

取得方法 メリット デメリット
現物の取得 不動産以外のリスクを負わない 税金が高い
債権の取得 現物の不動産よりも割安に購入できる可能性がある ・債務者の信用力に依存する ・担保実行した場合は、不動産流通税が掛かる
株式の取得 ・ 取得時の税金が掛からない ・ 購入額が安くなる可能性がある 簿外債務が存在する可能性がある
信託受益権の取得 ・ 取得時の税金が安い ・ 簿外債務を引き継ぐ必要はない 信託契約のコストが掛かる



上記のコラムが、週刊ビル経営(2013年5月13日号)に掲載されています。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2013年5月13日号

週刊ビル経営は、 ビル経営者および不動産関係者のための業界新聞です。
発行部数:1回 6万1700部

週刊ビル経営:Webサイト





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