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銀行の思考を理解しよう

入力者 山下章太 更新日 20130820


・銀行の思考を理解しよう

世間一般的に、不動産は大きな買い物です。現金一括で購入できる人は別ですが、 大多数は住宅ローンなどの借入をして不動産を購入します。 収益物件を購入するときも同じで、現金一括で購入することはせずに、銀行から購入資金を借入します。

借入金での資金調達は、利回りを上げるために利用する場合もあれば、不足する資金を調達するという場合 もあります。借入をする理由はともかく、銀行から資金調達するためには、基本的な銀行の思考(好き嫌い) を知っておかなければなりません。銀行借入を前提とすると、下記の2点を考慮しておく必要があります。



@返済可能な金額だけを借りる

A借入金だけで不動産を購入しない



1. 返済可能な金額だけを借りる

まず、収益物件を銀行借入で購入する場合、入居者から受取る賃料で借入金の元金と利息を支払わないといけません。

例えば、100%銀行借入で利回り3%の物件を購入した場合、金利がゼロでも返済に33年掛かります。実際には金利も掛かりますし、 賃料収入から発生する収益に対して税金も掛かるので、借入金の返済までに50年くらい掛かってしまいます。 銀行が収益物件を購入するのに50年間の融資をするかというと、そんな訳はなく、そもそも利回り3%の物件を100%の借入れで購入すべきではありません。

住宅ローンは、35年返済などの長期返済も可能ですが、これは、自分の家を守るために、何とかして払うだろうという期待も込めた長期融資だからです。 収益物件は35年もすれば、大規模修繕も必要になりますし、大した賃料も入ってきません。収益物件は、賃料が入ってこなくなるとゴミ同然で、 自分の住んでいる家でもないので、真剣に借入を返済しようとする人も少ないはずです。当然、銀行も住宅ローンよりも長い貸付はしません。

銀行は、融資先の状況を定期的にチェックしますが(銀行では「自己査定」といいます)、借入金の返済年限も大きなチェック項目になります。 銀行では、そもそも長期資金は非常に融資しにくいということを予め理解しておく必要があります。

新築物件だったとしても、20年くらいすれば大規模修繕が必要になりますので、個人的には借入期間は10〜15年くらいで返済できる金額にとどめるべきだと思います。



2. 借入金だけで不動産を購入しない

銀行は借入金の返済ができない場合を想定して、掛目を掛けて融資します。100%を借り入れで賄おうとするのは、そもそも間違いです。

住宅ローンの場合は、ほぼ購入金額の全額を融資によって賄うこともできますが、自分の住んでいる家を失うのを避けようと、 借入人は必死に支払いをしますので、銀行としては融資する金額が多かったとしても安心感があります。住宅ローンの場合は、 借入人の給与などから返済を期待していますので、住宅自体の価値については、銀行はそれほど気にしません。

レバレッジを利用して利回りを高めようとする投資家もいますが、不動産ファンドでも借入金の比率(LTV)は70%くらいです。 不特定多数から資金調達をしているREITは50%くらいです。レバレッジは利回りを上げるために重要なのですが、 レバレッジを掛けすぎると逆にリスクが高くなります。

収益物件の場合は、賃料収入で借入金を返済するわけですが、投資額の全額を期間10年の借入金で賄った場合、借入金を返済するには、 少なくとも利回り10%以上の物件でないと、元金さえ返済できません。下記に投資額の70%を借入金で賄った数値例を記載しましたが、 10年返済を前提とすると想定キャッシュフローが年間収益の10%を下回っていますので、賃料が10%下落すると元利金返済に必要な資金が不足します。

【レバレッジが有る場合(10年間の借入)と無い場合の比較】         単位:百万円

レバレッジが有る場合(10年間の借入)と無い場合の比較



利回りを確保しないといけない不動産ファンドでさえ借入金の比率(LTV)は70%くらいですので、 安定運用をするうえでは、50%くらいを上限にした方が良いと思います。




上記のコラムが、週刊ビル経営(2013年6月10日号)に掲載されています。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2013年6月10日号

週刊ビル経営は、 ビル経営者および不動産関係者のための業界新聞です。
発行部数:1回 6万1700部

週刊ビル経営:Webサイト





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