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不動産と不動産ファンド

入力者 山下章太 更新日 20130910


・不動産ファンド

不動産投資のプレーヤーに不動産ファンドという存在があります。今回は、前回までと少し内容が変わりますが、 プロ投資家である不動産ファンドについて触れてみようと思います。なお、ここでは不動産ファンドの投資家を「投資家」、 投資家の資金を「ファンド」、不動産ファンドの運用会社を「運用会社」、これらを合わせて「不動産ファンド」という定義で説明します。



1. 不動産ファンドの性質

不動産ファンドとは、投資家から資金を集めて、その資金を運用会社の選定した不動産に投資し、運用から得られる収入を投資家に分配します。 投資家が表に出ることはありませんので、一般的に「不動産ファンド」と言った場合、「運用会社」をイメージすると思います。 運用会社は、不動産投資を長年行ってきたプロ集団ですが、投資家からの資金がなければ、不動産ファンドは成立しません。

実際には、ファンドでの課税を避けるために、様々な形態を使用するのですが、単純化して不動産ファンドを図示すれば下図のようになります。

【不動産ファンドのイメージ】

不動産ファンドのイメージ



不動産ファンドによって違いはありますが、投資家が期限なく投資する訳はありませんので、ファンドとして集めた資金を運用期間が終了したら 返還する必要があります。また、運用会社の収入は、投資した不動産の金額によって変動しますので、極端な言い方をすれば、 不動産に投資できないと運用会社の収入はありません。

ファンド運用者 運用会社(不動産のプロ)
契約期間 期限あり(5〜10年)
運用会社の収入(固定) 不動産投資額の一定割合
運用会社の収入(変動) 物件売却益の一定割合(成功報酬)

このように、不動産ファンドは、不動産のプロである運用会社が、投資家から集めた資金(ファンド)を不動産に投資するのですが、 ファンドという形態を取っているため、メリットとデメリットがあります。



2. 不動産ファンドのメリットとデメリット

不動産ファンドは、多数の投資家から資金を集めて運用するため、1人の投資家よりも大きな不動産を購入することが可能です。 また、投資利回りを上げるためにレバレッジ(銀行からのノンリコースローン)を利用するため、投資金額は大きくなります。

例えば、1億円ずつ10人から資金を集めてファンドを組成し、LTV=70%(70%を銀行借入)で投資した場合、 不動産投資額=1億円×10人÷30%(出資比率)=33.3億円となります。この点からは、 投資家単独で不動産を購入するよりも大規模な不動産に投資することが可能になるというメリットがあります。

一方で、運用会社の収入は、不動産の投資額に連動しますので、不動産が購入できないと収入が入ってきません。 不動産の市況は、時期によって高かったり安かったりするのですが、運用会社は高い時期であっても不動産を購入しないと収入にならないため、 不動産を購入します。

運用会社は投資家の利益のために行動しないといけない筈ですが、自らの利益は投資家の利益とは必ずしも一致しておらず、 不動産が割高(投資家に損失が発生する可能性がある時期)であっても、ファンド(資金)を使って投資します。また、調達額の全額の投資が できない場合、「ファンド組成金額が適正であったのか?」という問題になるため、運用会社は投資家から調達した資金は使い切らないといけません。

投資をしない方が良い時期であったとしても、不動産ファンドは調達した資金を使い切らないといけないため、 投資家にとってはデメリットと言えます。



不動産ファンドと一般投資家を比較すると、以下のようになります。「不動産ファンドは良いか?悪いか?」ということは、 必ずしも言えませんが、不動産ファンドの性質として最低限理解しておいた方が良いと思います。



【不動産ファンドとアマチュア投資家の比較】

不動産ファンド 一般投資家
不動産運用者 運用会社(不動産のプロ) アマチュア・プロ
投資期間 期限あり(5〜10年) 期限なし
運用報酬 必要(運用会社に支払う) なし
投資金額 大きい 小さい
不動産投資時期 割高の時期も投資する 割安の時だけ投資すれば良い



上記のコラムが、週刊ビル経営(2013年8月12日号)に掲載されています。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2013年8月12日号

週刊ビル経営は、 ビル経営者および不動産関係者のための業界新聞です。
発行部数:1回 6万1700部

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