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シンジケートローン

項目

2. コミットメントライン契約とは

入力者 山下章太 更新日 20071026

シンジケートローンを知る上で、「コミットメントライン契約」という概念が重要になってきますので、 ここで説明します。

借入人が金融機関に対して融資の依頼をすると、金融期間は借入人の信用状態の審査を行い、 その審査結果によって融資可能と判断した場合にはじめて資金を調達することが可能となります。 しかし、急な資金需要が発生し、このような審査による期間が入ると間に合わないケースも存在します。

このようなケースを想定して、金融機関と借入人との間で、 あらかじめ一定の枠内でいつでも必要な資金を借入れることができる契約を締結する場合が存在します。 この契約が「コミットメントライン契約」です。

すなわち、「コミットメントライン契約」とは、貸付人が手数料(コミットメント・フィー)を徴求することで、 借入人に一定期間、一定の融資枠を設定し、その範囲内で借入人は借入を行う権利を取得し、 貸付人は貸付を行う義務を負担する契約をいいます。

ここで、通常の貸付と異なる点は、

  • 貸付人が貸付を行う義務を負う
  • 貸付を行っていないのに手数料が発生する
という点です。

貸付人が義務を負うという点に関しては、譲渡を行う際に大きな違いが発生します。
例えば、「債権譲渡」という言葉がありますが、「コミットメントライン契約」は「債権譲渡」を行ったとしても、 完全に移転しません。なぜなら、「債権譲渡」とは権利(元本・利息を受領する権利)のみ を移転する契約であるため、義務(貸付に応じなければならない義務)を移転することが出来ないためです。
「コミットメントライン契約」を完全に譲渡するためには、「地位譲渡」という方式を採りますが、 これは、貸付人の権利(元本・利息を受領する権利)と義務(貸付に応じなければならない義務)を移転する契約 になります。

貸付前に手数料が発生する点については、日本で「コミットメントライン契約」が根付かなかった理由とされています (参考:きんざい『シンジケートローンの実務』)。

日本では、金利の上限を規定する法律として、「出資法」と「利息制限法」という2つの法律があります。 この2つの法律の金利差(グレーゾーン金利=出資法の上限金利>利息制限法の上限金利)を利用して貸付を行っていたものが、 消費者金融です。

「コミットメントライン契約」では貸付を行わなくても手数料が発生しますので、
例えば、『60億円のコミットメントライン契約(期間:1年)を締結していて、1%の手数料を徴求した場合』、 60百万円の手数料が発生しますが、これは利息制限法の上限金利である15%で単純に計算すると、 年平均残高が400百万円(60百万円÷15%)以上なければ利息制限法違反となってしまうと考えられていました。
この問題点があり、欧米で広く一般化していた「コミットメントライン契約」が長く日本に根付くことがありませんでした。

1998年3月にシティーバンクが日本電気向けにシンジケートローン方式のコミットメントライン契約が、 出資法・利息制限法のみなし利息には当たらないと実施した第1号案件のようですが、 その後1999年3月29日に「特定融資枠契約に関する法律」が施行され、 「コミットメントライン契約」が出資法・利息制限法のみなし利息に該当しないと広く日本で認められるようになりました。

シンジケートローン契約等で、「特定融資枠契約に関する法律」に関する記載が見られるのは、 『利息制限法の対象ではない契約ですよ!』とはっきりさせることが目的です。


1. シンジケートローンとは

3. エージェントとは



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