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会計税務情報(2013年11月号)企業結合会計基準の平成25年度改正

入力者 今石譲 更新日 20131109


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会計税務情報:2013年11月号(PDFファイル)

企業結合会計基準の平成25年度改正

平成25年改正の経緯

平成20年の改正企業結合会計基準の公表後、企業会計基準委員会(ASBJ)では、国際会計基準審議会(IASB)と共同で公表したいわゆる東京合意に基づき、中期的に取り組むこととしていた国際的な会計基準との差異に関連するプロジェクト項目の検討を行い、平成21年7月に「企業結合会計の見直しに関する論点の整理」を公表した。

そして、一般から寄せられた意見を参考にしつつ審議を重ね、そのうえで平成25年1月に少数株主持分(非支配持分)の取扱い、企業結合に係る取得関連費用の会計処理、暫定的な会計処理の確定に関する処理を主な見直し内容とする「企業結合に関する会計基準(案)」をはじめとした企業結合に関する一連の会計基準に係る公開草案を公表した。



平成25年改正の経緯

のれんの償却、非償却

のれんを国際的な会計基準と同様に非償却とすべきかどうかについて平成21年論点整理の公表後、審議が続けられてきたが、現状では、連結財務諸表及び個別財務諸表ともに会計基準を改正することについて市場関係者の合意形成が十分に図られていない状況にあると考えられる。

また2011年11月にASBJはIASBに対しのれんを非償却とする国際財務報告基準(IFRS)3号「企業結合」の取扱いに係る適用後レビューの必要性の提案を行っている。これらのことを踏まえ平成25年改正会計基準においても現行の償却処理を継続することとされた。

子会社に対する支配の喪失の取扱い

子会社に対する支配が喪失した場合の残存の投資に係る会計処理についても、国際的な会計基準との差異は存在するが、この処理については事業分離等会計基準や金融商品に関する会計基準等の他の会計基準にも影響する横断的な論点であることに加え、段階取得の検討経緯を踏まえると、実務における段階取得の適用状況をまず検討すべきという意見もある。

これらの点を踏まえて、今後、段階取得の適用状況の調査を含む、企業結合にかかる実態調査を適切な時期に始めることとし、そのうえで、我が国の会計基準を取り巻く状況も踏まえて今後会計処理の検討に着手する時期を判断することとしたため、改正の対象からは見送られた。

その他

全部のれん方式の採用の可否、条件付取得対価の取扱い、企業結合に係る特定勘定の取扱い等については、改正することにより財務報告の改善が図られるか否かについて意見が分かれるものや、改正の必要性や適時性に乏しいという意見が大半を占めているものであるため、平成25年改正会計基準の対象とはせず、継続的検討課題とすることとした。



平成25年改正会計基準における改正点

支配が継続している場合の子会社に対する親会社の持分変動

改正前の会計基準では、子会社株式の追加取得、子会社株式の一部売却、子会社の時価発行増資等(以下、「子会社株式の追加取得等」という)によって生じた親会社の持分変動差額は親会社説の観点から損益取引とされていた。平成25年改正会計基準においては経済的単一体説をとる国際的な会計基準と同様の会計処理を行うべきであるとの観点から、子会社株式の追加取得等により生じた親会社の持分変動による差額を連結財務諸表においては資本剰余金とすることとした。なお、この会計処理の結果、資本剰余金が負の値となる場合には、連結会計年度末において、資本剰余金を0とし、当該負の値を利益剰余金から減額することとした(連結会計基準30-2項)。さらに連結財務諸表においては、「非支配株主との取引に係る親会社の持分変動に関する事項」として非支配株主との取引によって増加または減少した資本剰余金の主な変動要因及び金額を注記することとしている。

当期純利益の表示

国際的な会計基準においては連結損益計算書における当期純利益には非支配株主に帰属する当期純利益を含めて表示することとされている一方、我が国の従来の会計基準においては当期純利益には非支配株主(少数株主)に帰属する分は含まれていなかった。

そのため、国際的な会計基準との比較可能性の向上という観点から平成25年改正会計基準においては当期純利益に非支配株主に帰属する部分も含めることとした。

その結果、従来の少数株主、少数株主損益調整前当期純利益、少数株主損益、当期純利益は改正後の基準ではそれぞれ非支配株主持分、当期純利益、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益と呼称が変更された。

また平成25年改正会計基準では、連結財務諸表上、従来と同様に親会社株主に帰属するもののみを「株主資本」として表示することとしている。

取得関連費用の取扱い

改正前の基準においては企業結合における取得関連費用のうちの一部について取得原価に含めることとしていた。

一方で国際的な会計基準では取得関連費用(外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料等)は発生した事業年度の費用として取り扱われている。平成25年改正会計基準では国際的な会計基準との比較可能性の担保の観点、資産計上されるべき取得関連費用の範囲に関する実務上の問題点を解消する観点から、取得関連費用を発生した事業年度の費用として処理することとした。さらに主要な取得関連費用の内容及び金額を注記として開示することとした(企業結合会計基準49項(3)C)

なお、個別財務諸表における子会社株式の取得原価は、従来と同様に金融商品会計基準および実務指針に従って算定することに留意が必要である。

暫定的な会計処理の確定の取扱い

改正前の会計基準においては暫定的な会計処理の確定が企業結合年度の翌年度に行われた場合、企業結合年度に当該確定が行われたとしたときの損益影響額を、企業結合年度の翌年度において特別損益に計上することとしていた。

平成25年改正会計基準においては比較情報の有用性を高める観点から、有価証券報告書のように企業結合年度の翌年度の財務諸表とあわせて企業結合年度の財務諸表を表示するときには、比較情報に表示されている企業結合年度の財務諸表に暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを反映させることとした。

なお、会社法計算書類などのように企業結合年度の翌年度のみの表示が行われる場合には株主資本等変動計算書において、期首残高に対する影響額を区分表示するとともに当該影響額の反映後の期首残高を記載することとした。

なお、その場合、企業結合年度の翌年度の財務諸表とあわせて表示する企業結合年度の財務諸表の1株当たり情報についても、当該見直しが反映された後の金額により算定することとなる(1株当たり当期純利益に関する会計基準30-6項及び1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針36-3項)。



適用時期

平成25年改正会計基準を早期適用しない場合には平成27年4月1日以後に開始する事業年度の期首(暫定的な会計処理の確定の取扱いについては平成27年4月1日以後開始する事業年度の期首以後実施される企業結合)から適用することとし、早期適用する場合には平成26年4月1日以後開始する事業年度の期首(暫定的な会計処理の確定の取扱いについては平成26年4月1日以後開始する事業年度の期首以後実施される企業結合)から適用する。

ただし、当期純利益の表示および少数株主持分から非支配株主持分への変更については早期適用できない。

なお適用の際には、その期の連結財務諸表にあわせて比較情報として表示されている過去の連結財務諸表の表示の組替を行う。





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