YENLAND TIME :  

 Top >  Library  |  印刷する印刷ページ       はてなブックマークに追加 このページを Google Bookmarks に追加 RSS

大区分

投資

中区分

不動産

小区分

コラム

項目

特定目的会社(TMK)

入力者 山下章太 更新日 20180919


特定目的会社(TMK)

不動産に関しては、特定目的会社(TMK)という形態が利用されることがあります。
TMKは、『資産の流動化に関する法律』(平成10年6月15日法律105号。以下、資産流動化法)に基づき 設立される法人ですが、今回はファンド組成を行う際に利用されるTMKについて解説します。



1.TMKとは

特定目的会社をTMKと言いますが、ローマ字で書いたときの(Tokutei Mokuteki Kaisha)の頭文字から来ています。

TMKは、資産流動化法に基づき設立される法人で、業務を行うには、 資産流動化計画を添付した業務開始届出書を内閣総理大臣宛に所轄の財務局経由にて届け出る必要があります。

TMKは流動化をするために用意されたヴィークルですので、幾つかの特徴があります。
全てではありませんが、特徴的なものを紹介します。



2.パススルー(構成員課税)

匿名組合の時にも触れましたが、組合は原則としてパススルー(構成員課税)できますが、法人はできません。
TMKは法人ですが、例外として一定の要件(90%ルール)を満たせば配当金が損金算入できるため、 パススルーすることが可能です。

損金算入するためのルールを「90%ルール」といいますが、発生した利益のほとんどを投資家に分配することが 要件となっています。
具体的には、下記の計算式(租税特別措置法67の14TA)によって判断します。

90%ルール



3.不動産の現物保有

前回、GK-TK(合同会社-匿名組合)スキームについて説明しましたが、GK-TKスキームを利用する場合、 不動産特定共同事業法との関係で、(原則として)現物の所有をすることができないため、 信託経由で不動産を保有することになります。

TMKはこのような規制を受けないため、信託受益権を経由して不動産を保有する必要はありません。

【TMKスキーム】
TMKスキーム



4.金融商品取引法における措置

金融商品取引法においては、有価証券の発行の際に、自己募集として金融商品取引業となる場合があります (金融商品取引法第2条8項7号)。
ただし、TMKの発行する優先出資証券・特定社債等は自己募集に該当しないため、 金融商品取引業の登録を行わなくても、優先出資証券や特定社債等を発行することが可能です。

たとえば、TK(匿名組合)で資金調達する場合には、金融商品取引法における自己募集に該当するため、 原則的な扱いでは、金融商品取引業の登録が必要となります。
これに対して、TMKは金融商品取引業が必要な自己募集に該当しないため、金融商品取引法における対応が不要となります。

また、金融商品取引法では、複数のものから調達した資金を投資により運用し、回収益等を分配する場合は、 集団投資スキームにおける自己運用として投資運用業の登録が必要となります。
TMKの優先出資は集団投資スキーム持分に該当しないこととされていますので、 自己運用での金融商品取引法での対応が不要となります。



5.会計監査

原則としてTMKは、決算書の会計監査を受けなければなりません。
会計監査は、監査法人または公認会計士によって実施されますが、 運営会社における会計監査の対応やコストが掛ってきます。

会計監査が不要とされるTMKは、下記の要件を両方とも満たす必要があります。

  • 資産対応証券として特定社債のみを発行するTMKの場合
  • 資産流動化計画に定められた特定社債の発行総額と特定目的借入の総額の合計が200億円未満の場合




上記コラムは、週刊ビル経営(2014年09月08日号)に掲載されたものです。
掲載当時の法律、会計基準、税制を基に記載をしておりますので、現時点の内容と異なる場合があります。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2014年09月08日号

週刊ビル経営は、 ビル経営者および不動産関係者のための業界新聞です。

週刊ビル経営:Webサイト





   はてなブックマークに追加 このページを Google Bookmarks に追加 RSS