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相続税対策としての不動産投資

入力者 山下章太 更新日 20181030


相続税対策としての不動産投資

相続税法の改正により、不動産を相続税対策として購入する人も増加しています。
今回は、相続税の観点から、どのように不動産を活用しているかという観点から説明しようと思います。



1.相続税法改正の概要

既に相続税法の改正が行われているため、ほとんどの人が知っているとは思いますが、 簡単に今回の改正内容を説明します。
まず、平成27年1月1日以降は、相続税の基礎控除が図表1のように変更になりました。
従来であれば、法定相続人が3人の場合は8000万円の基礎控除が可能でしたが、 平成27年1月1日以降は4800万円になります。
都市部の戸建を保有している世帯で相続が発生した場合、平成26年12月末までは基礎控除によって 相続税の課税対象外になっていた世帯も多いと思いますが、平成27年1月1日以降は基礎控除の引下げにより 課税対象になる世帯も増加しています。

【図表1:遺産に係る基礎控除の改正】
改正前 改正後
5000万円+(1000万円×法定相続人の数) 3000万円+(600万円×法定相続人の数)

また、同じ改正で相続税の適用税率も変更されており、各法定相続人の相続財産の取得金額が高くなるほど 従来よりも税率が高くなりました。
ただし、このインパクトは一般的な世帯であれば、それほど影響はないと思いますので、ここでは説明を割愛します。



2.相続税対策における不動産の活用

相続税対策商品は、古くから保険などを含めて多数販売されています。
近年は不動産特定共同事業者の不動産販売が増加したことから、タワーマンション投資などが相続税対策の 不動産商品として販売されるようになってきました。

都市部のタワーマンションの場合は、低層階は値段が安く、高層階は値段が高くなるという傾向があります。
タワーマンションの最上階などは、1部屋当たり数億円というケースもよくありますが、 そのような物件を購入しているのは、主に、国内外の富裕層か相続対策の日本人です。

タワーマンションの不動産市場における売買金額は、高層階になるほど高くなるという傾向にあるのですが、 相続税評価額はあくまで保有している不動産の土地・建物の価格であるため、 低層階か高層階かという考え方は一切考慮されません。
すなわち、低層階でも高層階でも面積が同じであれば、同じ相続税評価額となるのです。
※上記は、掲載当時に関わるもので、現在は若干の補正がなされています。

1部屋1億円で取引されているタワーマンションの高層階の物件があったとします。
ただ、この部屋の相続税評価額が1億円かというとそういう訳ではなく、 一般的には市場価格の50%にも満たない金額になります。

図表2のように、1部屋の相続税評価額が2000万円だったとすると、市場価格と相続税評価額の差が8000万円になり、 相続財産を8000万円引き下げることができます。

仮に、物件を1億円の借入金によって賄った場合、相続税評価額が2000万円に対して1億円の負債を 相続することになりますので、キャッシュアウトなく8000万円相続財産を引下げることが可能となります。
単純に、10部屋を借入金で購入すれば8億円の相続財産をマイナスすることができますので、 8億円の相続財産を保有している人は、相続対策として借入金10億円で10部屋購入すればいいという計算になります。

これはあくまで相続税対策の一つの方法ですが、このような課税関係を利用して不動産商品を販売している 不動産特定共同事業者が増えています。

【図表2:時価と相続税評価額の比較】
時価と相続税評価額の比較
*掲載当時の極端なケースとして記載しています。




上記コラムは、週刊ビル経営(2015年07月13日号)に掲載されたものです。
掲載当時の法律、会計基準、税制を基に記載をしておりますので、現時点の内容と異なる場合があります。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2015年07月13日号

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