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不動産特定共同事業法

入力者 山下章太 更新日 20181211


不動産特定共同事業法

前回は相続税法の改正について説明しましたが、相続税対策商品として不動産特定共同事業者による 商品の販売も増加してきたように思います。
今回は、相続税対策として増加していると思われる不動産投資商品としての 不動産特定共同事業法について説明しようと思います。



1.不動産特定共同事業法とは

不動産ファンドを運用しているプレイヤーにとっては一般的な概念ですが、不動産は他の資産とは異なり、 不動産特定共同事業法という法律によって投資商品として販売する際に制約があります。

不動産特定共同事業とは、不動産を投資対象として投資家に収益分配を行う事業をいいます。
] 不動産を取得するための会社(特別目的会社:SPC)で現物の不動産を取得し、 投資家に収益分配させるスキーム(例えば、GK-TKスキーム)は、不動産特定共同事業に該当します。

不動産特定共同事業法は、不動産関連商品を販売、管理、運営していた不動産業者がバブル崩壊後に倒産し、 投資家に被害が多発したことから、投資家保護のために平成7年に施行された法律です。
すなわち、一定の基準を満たした運用者のみが、不動産を投資商品として取り扱うことができるように 法律で定めることによって、不動産に投資を行う投資家保護をすることが目的です。

投資商品である有価証券の販売は金融商品取引業者しかできないのと同様に、不動産を投資商品として販売する場合は、 不動産特定共同事業者しか販売ができません。

不動産特定共同事業に該当する場合は、不動産特定共同事業者は、以下のような要件を満たす必要がありますが、 ある程度信用力のある会社のみが不動産を投資商品として販売できるということになります。

・資本金が1億円以上であること(第一号事業者の場合)
・純資産が資本金の90%以上であること
・前事業年度の財産及び損益の状況が良好であること
・不動産特定事業を遂行できる組織を有していること
・宅地建物取引業免許を受けていること

なお、不動産特定共同事業は不動産の運用収入を投資家に分配する事業をいいますので、 純粋な投資用不動産を販売・仲介する事業とは異なります。
投資用マンションを販売して、販売した不動産の賃貸管理をしたとしても、不動産特定共同事業には該当しません。

少し紛らわしいのですが、不動産ファンドを組成して、現物不動産を取得し、 賃料収入等を投資家に分配するようなケースが一般的に該当すると考えて下さい。



2.不動産特定共同事業法の活用

不動産特定共同事業としての不動産商品の販売は、相続対策商品など比較的小口の商品となり、 取引金額自体は全体の不動産売買金額と比較すると大きくはありません。

下表は国土交通省が統計資料として公表している不動産流動化案件のヴィークルごとの不動産取得金額です。
J-REITやTMKは数十億円規模の大口の不動産が対象となるため、件数が多くなかったとしても、 売買代金自体は非常に大きくなります。

これに対して、不動産特定共同事業としての不動産取得は、数億円程度のため、金額は少ないのですが、 相当な件数にはなると思います。
また、不動産特定共同事業法の対象となるのは主に小口の不動産ファンドですので、 投資家の数は更に増えてくると思います。
例えば、不動産特定共同事業者が組成したファンドが1口1,000万円だったと仮定すると、 平成26年度では13,400人(1,340億円÷1,000万円)の投資家が存在していたこととなり、結構な数です。

不動産特定共同事業は、小口の不動産商品販売がメインになってきますので、投資家保護の観点からも、 このような法律は必要だと思います。

【不動産流動化におけるヴィークルの種類と取得金額】
(単位:10億円)
タイプ 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
J-REIT 604 792 1,555 2,237 2,080
不動産特定共同事業 154 183 159 79 134
特定目的会社(TMK) 476 625 637 1,106 1,204
GK-TK等 962 741 995 971 2,095
2,195 2,341 3,345 4,394 5,513

出所:国土交通省「不動産証券化の実態調査」




上記コラムは、週刊ビル経営(2015年08月10日号)に掲載されたものです。
掲載当時の法律、会計基準、税制を基に記載をしておりますので、現時点の内容と異なる場合があります。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2015年08月10日号

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