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マーケット環境の変化と不動産

入力者 山下章太 更新日 20190708

2015年9月には中国の株価下落に影響を受けて、全世界的な株価の下落が見られました。
特に株式市場は景気見通しに大きく影響を受けることから、大きく時価が乱高下するケースがあります。
ここでは、マーケット環境の変化による不動産への影響について考えてみたいと思います。



1.近年のマーケット環境

日本においては、2008年9月に発生したリーマンショック、2011年3月に発生した東日本大震災が大きな経済イベントでした。
図表1は2008年4月からの東証株価指数(TOPIX)、東証J-REIT指数、不動産価格指数(不動産価格指数(住宅)、 国土交通省公表)の推移を示したものですが、株価指数はリーマンショックを境に大きく下落し、 その後2013年まで株価は低下し続けました。
東日本大震災も大きな経済イベントではありましたが、リーマンショックで元々株価が下がっていたことから 追加の株価下落はそれほど大きくありませんでした。

TOPIXは東証1部上場会社を基にした株価指数ですが、リーマンショックを境に、 リーマンショック前の60%くらいの水準で低迷し続け、不動産を投資対象としたJ-REITについても、 マーケット全体の低迷に影響されてTOPIXと同じような値動きを示しています。

図表1に記載した不動産価格指数は国土交通省が公表している住宅・マンション等の取引価格情報の全国平均値ですが、 リーマンショックの前後を比較してもそれほど大きな値下がりは発生していません。
確かに、東京都心部のオフィスビルなどはリーマンショック後に大幅に値下がりしましたが、 住宅を前提とすると大きな価格下落は生じていないことが分かります。

【図表1:マーケット変動と不動産価格の比較】
マーケット変動と不動産価格の比較
※2008年4月を100とした指数で表示



2.マーケット変動に対する現物不動産の優位性

不動産は、取引の大半が機関投資家などを前提とした物件以外であるため、 短期的な景気変動に影響を受けないケースが多くあります。
例えば、不動産の賃料は、通常2年以上の賃貸借契約を締結することから、 契約更新時期でなければ同じ賃料を見込むことができます。
長期的な景気低迷に入ってしまうと、賃料も徐々に下がりますが、数年内に景気が回復すると、 賃料の低下はほとんど発生せず、景気低迷前の水準を維持することも可能となります。

この点から、現物不動産は市場流動性の高い商品とは異なり、価格への影響はマーケット環境の変化に遅れて 発生することから、景気の影響をタイムリーに受けにくい資産であるといえます。

J-REITは、小口の不動産投資と考えることもできるのですが、株式市場の影響を受けることから、 必ずしも不動産の価格と同じ動きをする訳ではありません。
J-REITの価格もTOIPXと同様にリーマンショック前の60%くらいの水準まで落ち込んだ後、 2015年には120%の水準に価格を戻しています。
2012年にJ-REITを購入していれば2015年には2倍の価値になったとも言えますが、 現物不動産はそこまでの価格上昇は見込めません。

マーケット環境の変化を切り口にJ-REITと現物不動産を比較すると、図表2のようになりますが、 マーケット環境の影響を受けにくいということが、現物不動産の優位性といえるのかもしれません。

【図表2:J-REITと現物不動産の比較】
J-REIT 現物不動産
株式相場の影響 受ける あまり受けない
価格変動率 大きい 小さい
価格変動時期 早い 遅い




上記コラムは、週刊ビル経営(2015年09月14日号)に掲載されたものです。
掲載当時の法律、会計基準、税制を基に記載をしておりますので、現時点の内容と異なる場合があります。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2015年09月14日号

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