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3. リスクフリー・レート

入力者 山下章太 更新日 20090621

リスクフリー・レートとは

リスクフリー・レート = 無リスク資産の利子率

リスクフリー・レートは、「リスクの無い資産から受け取ることができる金利」を意味していますが、 そのような資産はこの世には存在しません。
主に、リスクフリー・レートとして利用されているものは、以下の2つです。
国債は、年限や残存期間ごとに存在しているため、 すぐにイールドカーブを作成するにはあまり適していませんので、 金融商品の評価を行う際には、LIBORが利用されることが多くなります。

  • 国債(JGB)

    日本においては、国債は最も安全と考えられていますが、2007年11月現在のS&P格付けは「AA」です。
    実際には「AAA」の格付けを取得している会社もありますので、 日本国よりも格付が高い会社も存在していますが、国債は、 ほぼ無リスク資産に近いと一般的に考えられていますので、 リスクフリー・レートとして利用されています。

  • LIBOR ( London Inter-Bank Offered Rate ) / SWAP Rate

    LIBORとは、「ロンドン銀行間貸出金利」で、複数のリファレンスバンクから提示された価格を 英国銀行協会(BBA)が集計し、公表しているものを指します。
    通常、円建のLIBORを「ユーロ円LIBOR」といいますが、 これは「ユーロ市場で取引される円建のLIBOR」という意味です。
    スワップ・レートは、LIBORなどの変動金利と固定金利を交換する際の交換レートをいいます。

国債の種類

国債には様々な種類がありますが、発行の目的等によって分類されます。

発行期間による分類

  • 超長期国債:15年(変動利付国債)・20年(利付債)・30年(利付債)・40年(利付債)
  • 長期国債:10年(利付債)・10年(個人向け国債)・10年(物価連動国債)
  • 中期国債:2年(利付債)・3年(利付債)・3年(割引債)・4年(利付債)・5年(利付債)・5年(割引債)・5年(個人向け国債)・6年(利付債)
  • 短期国債:6カ月(割引債)・1年(割引債)
  • 政府短期証券:90日(割引債)

利払い等による分類

  • 固定利付債:半年毎に一定の利子が支払われ、償還時に額面金額が支払われる国債。
  • 変動利付債(FRN):半年毎に支払われる利子の額が市場金利によって毎回見直される。償還時に額面金額が支払われる国債。
  • 物価連動債(TIPS):元本と利息が消費者物価指数に連動して増減する。
  • 割引債:途中での利払いはないが、額面を下回る額で発行され、償還時に額面金額が支払われる。かつては3年や5年のものが発行された事があるが、2002年11月以降は短期のものしかされていない。

変動利付債としては、「15年変動利付国債」が有名で、物価連動債としては「10年物価連動国債」が有名です。 特に物価連動国債は、CPI(生鮮食品を除く総合消費者物価指数)を元に評価を行うため、 評価を行う際の難易度が極めて高い商品設計になっています。


国債でのイールドカーブの作成

国債は、前頁のようにかなりの種類がありますので、発行量にはかなり差があります。
最も発行量が多いのが、10年国債です。国債の特徴は、利回りが単利で表示されていますので、 複利利回りに変更してイールドカーブを利用することになります。

発行量が少ない国債を利用してイールドカーブを作成することはるべく避けた方が良く、 例えば以下のような方法で国債のイールドカーブを作成します。

【イールドカーブの作成の例】

  • 10年国債が存在する期間は、10年国債の複利最終利回りを採用
  • 10年国債が存在しない期間は、20年国債の複利最終利回りを採用
  • 20年国債が存在しない期間は、30年国債の複利最終利回りを採用
国債のイールド・カーブ

Bloombergより作成


LIBORについて

LIBORとは、「ロンドンの銀行間貸出金利」で、複数のリファレンスバンクから提示された価格を 英国銀行協会(BBA)が集計し、公表しているものを指します。 LIBORは、ユーロ市場での取引金利であるため、日本で一般的に用いられいる計算期間(1年=365日)とは 異なります。

外国の金利は、「ACT/360」と表示されることが多いのですが、 これは1年=360日で計算していますので、 365日ベースに直すためには、以下のように調整が必要になります。

LIBOR(ACT/365) = LIBOR(ACT/360) × 365 ÷ 360

LIBORが最も有名な、リスクフリー・レートですが、他には以下のような変動金利が存在します。

TIBOR( Tokyo Interbank Offered Rate ):東京オフショア市場における、銀行間貸出金利

  • 日本円TIBOR  : 365日ベース
  • ユーロ円TIBOR : 360日ベース

EURIBOR( Euro Interbank Offered Rate ):欧州銀行間貸出金利

EUROベースのLIBORと誤解されている方がいらっしゃいますが、LIBORとは開示主体が異なります。


スワップ・レートについて

スワップ・レートは、変動金利を固定金利に交換する場合に必要となる金利をいいます。
例えば、
2年スワップ・レート(固定金利)=6ヶ月LIBOR(変動金利)を2年間固定金利で支払う場合に必要となる金利
となります。

ここでは、2007年11月15日のスワップ・レートを例にして、2年のスワップ・レートについて簡単に説明します。
2007年11月15日のスワップ・レートは、下表のようになります。

スワップ・レート

6ヶ月LIBORを2年間固定金利に変更する場合を例にとると、以下のような金利支払が交換されることになります。

変動金利(6ヶ月LIBOR)を2年間支払う場合

変動払いのケース

固定金利を2年間支払う場合

固定払いのケース

すわなち、スワップが意味するものは、LIBOR(変動金利)を一定期間支払うのと、 SWAP RATE(固定金利)を一定期間支払うことが等しいということをあらわしています。

LIBORをリスクフリー・レートとして用いた場合は、1年までの金利はLIBORを使用して、 その後の金利はスワップ・レートを利用してイールド・カーブを作成します。
下記は、2007年11月15日のLIBORとスワップ・レートですが、 前述のイールド・カーブは1年までのLIBORと1.5年以降のスワップ・レートを使用して作成しています。

イールド・カーブ

イールド・カーブ

LIBOR

LIBOR

SWAP RATE

SWAP RATE

L-Tスプレッド

一般的にリスクフリー・レートとして用いられる、国債(Treasury)と LIBORの金利差を「L-Tスプレッド」といいます。

通常は国債の方が金利が低くなります。
下図は、2007年11月16日における年限ごとの国債複利利回りとLIBOR利回りの推移および その差(L-Tスプレッド)を示したものですが、L-Tスプレッドは、 金利性商品を評価する際にはよく登場する概念です。

L-Tスプレッド

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