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項目 匿名組合
入力者 山下章太 更新日 20180918


匿名組合

不動産に限らずファンドを組成する際に、匿名組合という形態で出資を行う場合があります。
GK-TKスキームなどと言われるファンド組成の形態ですが、 今回はファンド組成を行う際に利用される匿名組合について解説します。



1.匿名組合とは

匿名組合はTKとも言われますが、ローマ字で書いたときの(Tokumei Kumiai)の頭文字のTKから来ています。
同じように、合同会社(Goudou Kaisha)のGK、株式会社(Kabushiki Kaisha)のKK、 特定目的会社(Tokutei Mokuteki Kaisha)のTMKなどが当て字として使われます。

組合とは、複数の人が契約によって収益分配等についての取決めをする法律行為です。
例えば2人で半分(50%)づつお金を出し合って、利益を半分(50%)づつ分配するという場合は、組合契約と言えます。
あくまで契約ですので、当事者以外の人は、その契約の存在の有無は分かりません。

組合の形態はさまざまなものがありますが、組合はあくまで契約上の地位で、会社のように形がある訳ではありません。
また、基本的に普通の人(自然人)や法人(法律によって自然人と同等の権利を付与された組織)ではありませんので、 組合が契約をすることはできません。

人(自然人)が毎日スーパーで買い物したり、マンションを購入したりできるのは、 人には法律行為を行うことができる権利能力が備わっているからです。

一般的な匿名組合は、営業者といわれる会社と匿名組合契約を締結します。
基本的な法律関係はすべて営業者が行いますので、匿名組合出資を行ったとしても、 組合員が法律行為をするということはありません。

なぜ組合契約を利用するかというと、法人の場合は発生した利益に対して課税が発生してしまいますが、 組合契約の場合は利益分配を契約しているため、法人での課税が行われないためです。
この法人課税が行われない状態を、構成員課税といいます。



2.組合の比較

ファンド組成をする際には、組合を利用することが多いのですが、ここで幾つかの組合について、比較して説明します。

まず、民法上の任意組合は、財産を共有することになりますので、不動産を取得したり売却したりする際には、 権利関係が複雑になるため非常に不向きです。
投資事業有限責任組合(LPS)も法人格がないため、組合として不動産取得はできません。

TKは営業者と呼ばれる会社が法律行為をしますので、不動産の取得は営業者が行い、 不動産はすべて営業者が保有することになります。

【組合の比較】
組合の比較



3.GK-TKスキーム

投資をする際に一般的に利用されるGK-TKスキームは、合同会社(GK)と匿名組合契約(TK)を締結し、 損益分配に関する取り決めをします。
契約は会社(合同会社)で行うため、TK投資家は取引の主体となりません。
なお、細かい話になりますが、このスキームを利用する場合、不動産特定共同事業法との関係で、 (原則として)現物の所有をすることができないため、信託経由で不動産を保有することになります。

GK-TKスキームは、いろいろなケースで利用されていて、税務当局との見解が相違する場合も生じています。
税務上の取扱いは注意して下さい。

【GK-TKスキーム】
GK-TKスキーム




上記コラムは、週刊ビル経営(2014年08月11日号)に掲載されたものです。
掲載当時の法律、会計基準、税制を基に記載をしておりますので、現時点の内容と異なる場合があります。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2014年08月11日号

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