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項目 REIT
入力者 山下章太 更新日 20180921


REIT

不動産ファンドとして最も馴染みがあるのが、上場しているREITだと思います。今回はREITについて解説します。



1.REITとは

REITとは、Real Estate Investment Trustの略称で、直訳すれば、不動産投資信託です。
REITは、世界中にありますが、特に日本におけるREITをJ-REITといいます。

日本における上場不動産投資信託(J-REIT)は2001年からスタートしています。
J-REITは、『投資信託及び投資法人に関する法律』に基づいて組成されるものですが、 法律上、投資信託と投資法人の2つがありますので、投資信託のタイプを信託型、 投資法人のタイプを会社型と表現するケースも見られます。

J-REITの形態としては、大きく、会社型、信託型(委託者指図型、委託者非指図型)に分けられますが、 本稿執筆時の日本において、東京証券取引所に上場されているものは、すべて会社型です。

日本におけるREITは、ほとんどが投資法人という形態を採用していますので、 J-REITを不動産投資信託と訳しているのは、少し語弊があるかもしれません。

というのは、J-REITの投資家は、投資法人の発行する証券に対して投資するため、実際には、 信託に投資している訳ではないからです。



2.REITに投資するメリット

J-REITに投資する投資家のメリットとしては、以下のようなものがあります。

@投資商品の分散

伝統的な投資商品である債券や株式以外の対象(不動産)に投資できることから、 債券や株式とは異なるリスク・リターンを持つ投資対象に分散投資することが可能となります。

証券投資化におけるポートフォリオ理論では、分散投資した方が、 特定のリスク(金利リスク、株式リスクなど)による影響を軽減することができると言われています。
たとえば、株式市場が大幅に下落したとしても、不動産価格に直接影響を受けることにはなりませんので、 株式や債券相場変動に影響を受けない投資対象として手軽に不動産を組み入れることができる商品として、 REITは有効な投資手段となります。


A不動産の小口分散投資

実際に現物の不動産を購入しようとすると、数千万円単位のお金が必要となりますが、 よほどお金持ちでもない限り、普通の人は、投資不動産をいくつも購入することができませんので、 現物投資を行う場合は、せいぜい1〜2件が限界です。

購入した不動産からリターンがあがらない場合は、目も当てられない状況になりますが、 REITは不特定多数から集めた資金を運用して、たくさんの物件に投資を行いますので、 投資における1物件あたりのリスクが小さくなります。

これも、分散投資の一種ですが、自分で不動産物件すべてのリスクを負うわけではありませんので、 REITに投資すると現物の不動産に投資するよりも、比較的リスクの低い投資が可能となります。


B運用収益の安定的な分配

賃料が安定的に発生しますので、J-REITの収益は比較的安定しています。
また、J-REITは、定められた一定の要件を満たすことで、投資法人段階での法人税が実質的に非課税になり、 J-REITから発生した利益のほとんどが配当(インカムゲイン)として分配されます。

このような保有物件の性質、税務との関係から、REITの安定的な賃料収入のほとんどを配当として 受け取ることができますので、配当(インカムゲイン)の安定性が比較的高いという点がメリットとなります。


C上場有価証券としての流動性

現物の不動産を取得した場合、売却して換金しようとしても、売却までに時間が掛かってしまい、 流動性(処分可能性)は高くありません。
場合によっては、何年間も買い手が付かず、資金化できない場合もあります。
また、処分時には、仲介手数料などのコストがかかり、取引コストも安くありません。

この点、J-REITは上場株式と同じで、証券取引所が開いている時間であれば、いつでも処分することができます。
最近は、ネット証券の口座を利用している人も多いと思いますが、購入もネットでクリックするだけで購入できて、 売却もネットでクリックするだけです。
流動性は現物不動産に比べると、比較にならないほど優れています。

また、手数料に関しても、不動産の売買手数料のように高額な手数料を支払う必要はなく、 株式の売買手数料と同一で、安ければ数百円程度で済みます。

このように、J-REITは現物不動産と比較すると、流動性が大幅に向上し、 取引コストも安くなるというメリットがあります。




上記コラムは、週刊ビル経営(2014年10月13日号)に掲載されたものです。
掲載当時の法律、会計基準、税制を基に記載をしておりますので、現時点の内容と異なる場合があります。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2014年10月13日号

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