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項目 不動産と上場株式
入力者 山下章太 更新日 20180926


不動産と上場株式

不動産を所有しているオーナーは、不動産のみに投資して、賃料収入のみを収入にしている人も多いと思います。
投資理論上は、リスクを引下げるために、分散投資が有効とされており、 不動産のみを投資しているとリスク分散できません。
今回は不動産に加えた代替投資として、上場株式について考えてみます。



1.不動産投資の特徴

不動産は、非常に地域差や個別性が強い投資対象です。
長年に渡って資金回収することを前提にしていますので、経年劣化による修繕や維持管理コストが必要となります。
利回り5%の物件に投資したとすると、税金を無視したとしても20年間以上経過しないと、投資資金は回収できません。
また、不動産は文字通り動きませんので、周辺の経済環境に大きく依存することになります。

不動産投資の特徴を記載すると以下のようになります。

【不動産投資の特徴】
項目 内容 投資判断
投資期間 長い ×
収益の安定性 安定
利回り 中程度
投資金額 大きい ×
流動性(処分性) 劣る ×
地域依存度 大きい ×

後述する上場株式と比較すると、普通に稼働している物件であれば、比較的収益は安定しています。
ただし、処分をしようとした時には時間が掛かりますので、すぐに現金化することはできません。
処分価格については、株式のようにゼロにはなりませんが、経年劣化によって取得時よりも時価が下落していく要因になり、 また、不動産の存在する地域経済が衰退すればより価格が下落していく要因となります。



2.上場株式投資の特徴

不動産は安定的な収益確保ができる点が投資におけるメリットと言えますが、 上場株式の特徴は、流動性(処分性)と値上りによる利回り確保が期待できる点です。

株価は会社の業績によって変動しますので、投資時点よりも会社の業績が改善すれば大幅な利益が発生する 可能性もあります。

【上場株式投資の特徴】
項目 内容 投資判断
投資期間 任意
収益の安定性 変動幅が大きい ×
利回り 相場による
投資金額 少額から可能
流動性(処分性) 即時売却可能
地域依存度 なし

保有するスタンスによりますが、上場会社からの定期的な収入は配当です。
会社によってその割合はケースバイケースですが、比較的配当性向の高い会社の場合、2〜3%くらいの配当率になります。



3.不動産投資と上場株式投資

短期的な投資を前提に話をしても仕方ありませんので、長期投資を前提にして両者を比較すると、 どちらも安定的なインカム・ゲイン(賃料、配当)が可能であり、 相場変動のリスク(キャピタル・ゲイン)はどちらも有しています。

不動産の利回りは、上場株式の配当率よりも高くなりますが、相場上昇によるキャピタル・ゲインは あまり期待できません。

どちらも一長一短ですが、不動産のみに投資して不動産固有のリスクを集中するよりも、 分散投資することを検討した方がよいと思います。

【上場株式投資の特徴】
項目 不動産 上場株式
インカム・ゲインの種類 定期的な賃料収入 配当収入
インカム・ゲインの水準 5〜10% 1〜3%
時価の変動 バブルでもない限り、上がることはあまりない。
大幅な下落はないが築年数に応じて低くなっていく。
何倍にもなる可能性があるが、ゼロになる可能性もある。
流動性(処分性) 長期間が掛かる 即時売却可能




上記コラムは、週刊ビル経営(2014年12月08日号)に掲載されたものです。
掲載当時の法律、会計基準、税制を基に記載をしておりますので、現時点の内容と異なる場合があります。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2014年12月08日号

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