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項目 不動産投資におけるレバレッジ
入力者 山下章太 更新日 20181005


不動産投資におけるレバレッジ

今回は、不動産投資を行う際のレバレッジについて考えてみたいと思います。
レバレッジについては、以前も触れましたが、単純に言うと「借金して不動産を買うかどうか」ということです。
ここでの議論は、お金が足りないから借金して不動産を購入するとは全く別の話です。



1.不動産投資におけるレバレッジ

投資する不動産の利回りが5%の場合、全て自己資金だと5%の利回りです。
仮に、投資金額の全額を3%の借入で賄ったとすると、全く自己資金を使っていないにも関わらず、2%の利益が発生します。
この場合の投資利回りは無限大です。

図表1は、レバレッジの割合(ここではLTVとして表示)に応じた投資利回りの比較を記載しています。
物件利回りが5%、借入金金利が3%とした場合、LTVが60%の場合8%の投資利回りとなり、 LTVが80%の場合13%の投資利回りとなります。

この関係からは、効率的に不動産投資を行うためにはレバレッジ(借入)は必要なものであるといえます。

【図表1:レバレッジと投資利回りの比較】
レバレッジと投資利回りの比較



2.元利金返済のリスク

先ほど説明したレバレッジの考え方は、利息の支払のみを考慮しており、元本返済は一切考慮していません。
実際の借入れをした場合には、元本の返済も必要になりますので、 先ほどと同じレバレッジで元利金返済を考慮したケースを検討してみます。

借入金元本の支払は20年の均等弁済、減価償却費は考慮せずに、賃料収入と借入金利息の差額(純収益)に対して 40%の税金が掛かるとして計算した結果は図表2のようになります。

【図表2:レバレッジと元利金返済】
レバレッジと投資利回りの比較

LTVが40%までは元本返済後のキャッシュフローがプラスですが、LTVが60%になると元本返済後のキャッシュフローが マイナスになっています。
もちろん、元本返済が20年ではなく、30年であれば、もう少し高いレバレッジ(LTV)でも キャッシュフローはプラスになりますし、減価償却による節税効果を加味すれば、 キャッシュフローにプラスの影響を与えます。



3.投資スタイルによる元本返済の考え方

どのような元本返済スケジュールにするかは、投資スタイルによって変わってきます。
基本的に売却を前提として安定的な賃料収入を目指すのであれば、元本はある程度の年数で返済していくことになります。

20年返済を前提とすると、借入金の5%以上の返済が発生し、追加で利息の支払いが必要となります。

キャッシュフローの安定性も重要ですし、少しでも賃料収入や大規模修繕の金額が違ってくれば、 借入金の返済に大きな影響を及ぼします。

数年間保有して売却を前提とする場合は、元本を最終まで収益弁済する必要はないため、 キャッシュフローにはプラスの影響はありますが、借入金の返済の可否は物件処分価格に大きく依存します。

前者が一般的な不動産オーナーの投資スタイル、後者が不動産ファンドの投資スタイルですが、 どのように出口(EXIT)を設定するかによって、レバレッジの水準も異なることになります。




上記コラムは、週刊ビル経営(2015年05月11日号)に掲載されたものです。
掲載当時の法律、会計基準、税制を基に記載をしておりますので、現時点の内容と異なる場合があります。
詳細は、下記をご覧下さい。

月一連載:プロオーナーになるための財務基礎知識

週刊ビル経営:2015年05月11日号

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